第二話 吸血鬼の存在

7月30日19時58分

日が完全に落ちた。

「もうそろそろ居るかな」

勉強の道具を持って、自転車に跨る。


前回は徒歩だったからか、以外に近いと感じた。

「お、来たか、よくも昨日話しただけの奴を信頼できるな」

「何かやるなら昨日やってるだろうし、人通りはそこそこあるからかな?」

「本人に分からなければ分からんが、まぁ良い今日はどの教科をやるのだ?」

「今日はとりあえず数学を持ってきました」

「分かった、では早速問題」

数分間やっていたら雑談を始めた

「そういえばこんな時間に家を出ても親は何も言わんのか?」

「親は仕事中だから」

数秒間を置いて、アリーチェさんが喋る。

「家に居ても1人なのか、ご飯とかはどうしてる?」

「自炊」

「今度手料理を振舞ってやろうか?」

久しぶりに人と食事をしたいな、でもアリーチェさんに迷惑がかかる気も、いや昨日言われた事をまた返されるだろう、いつか恩返しをいつかすれば良いか。

「楽しみにしておきますね」

それから勉強を1時間程度教えてもらった。

「そういえばアリーチェさんって彼氏とか居るの?」

「いないな、言い訳になるが、大人になると出会いもなかなか出来ないしな、お前も高校生のうちに、大学行くなら大学でもいいが、友達は作っといた方が良いよ」

「頑張ってみるよ」

小学生の時にアニメを見始めてそれから人との関わりが一気に少くなった俺は無理だけど

「暇だしゲームするか?」

「ゲームって?」

「ボードゲームって言った方が良かったか、チェスか将棋か麻雀か囲碁」

「チェスで」

試合結果を簡潔に述べよう、アリーチェの圧勝だった。

「もう一回」

またもやアリーチェの圧勝

「もう一回」

アリーチェの圧勝

「もう一回」

アリ以下省略

「もう一回」

ア以下省略

「もう一回」

以下省略

「無理だ勝てねぇ」

「厨房如きが私に勝てる気で来てたのか」

アリーチェは少しだけ優越感に浸っていた。

「もうそろそろ時間だな」

スマホを開いてみると既に10時を超えていた。

「そうだね今日はこれぐらいで帰るよ」

「今日も送ってくよ」

「ありがとう」

いつの間にか敬語がなくなり、さん付けは抜けてないけど、友達と思いたくなるほど他愛のない会話をした。

「もっとスピード出しても良いんだぞ?」

「アリーチェさんは走ってて疲れないの?」

「安心しろ、体力と速力には自信がある」

「でも申し訳ないし、、、2人乗りでもする?」

言った後に気づいた、アリーチェさんの身長は180cm位ある、そうなると体重は標準体重で71kg、パッと見割と細めなので60kgくらいと、60kgを後ろに乗せて自宅へ行ける体力が無い、今日から体力付けするか。

「じゃあ乗らせて貰おうかな」

アリーチェさんが自転車の後ろに跨る。

「漕ぎ始めますね」

「良いよー」

漕ぎ始めはキツいが、勢いが着いてきたら楽になってきた。

「重くないか?大丈夫か?」

「大丈夫だよ」

もうすぐ、家に着く。



「着いた、アリーチェさん今日もありがとうございました」

「構わんよ、常に暇だから、良い暇つぶしになってくれて逆に感謝したい位だ」

暇つぶしで受験生に勉強を教えるのはどうかと思うが、そう言ってくれるのは気持ちも軽くなる。

「じゃあ、おやすみなさい」

「おやすみ」

やることを済ませベットに倒れ込む。

適当にTwi○terを開く、トレンドに吸血鬼の目撃情報があった、どうせフェイクニュースだろう、でも気になるのでニュース記事を見てみる、昨晩の10時45分、さっきまでいた海岸の近くだった、写真も人型の生物に羽が生えた様な写真があった、速すぎてぶれまくってはいるが。

近いな、もし本当なら吸血鬼に出会えるかもしれないな

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