吸血鬼に恋した僕
ざん
第一話 出会い
7月29日21時14分
受験勉強の息抜きで散歩に出る。
「どこに行こう」
などと独り言を呟きながら。
数十分歩いたら、気づいたら浜辺に来ていた。
「ここで海を眺めるのがいいかもな」
そう言いながら浜辺で座り込む。
周りの様子を見ると、異様な存在があった。
「綺麗だな」
1人立ってる女性を見て思った気持ちが言葉として出てしまった。
学生だからか、可愛いとかで一目惚れは2回程度あったが、綺麗と思って一目惚れしたのは初めてだった。
金髪で肌白いし、外国人だろうか?
「お前は誰だ?」
声を聞かれていたのか、気づかれたらしい。
「ただの中学生ですよ」
「中学生がなぜこんな所にこんな時間に来たんだ?」
「受験勉強の息抜きです」
「受験生か、此処であったのも何かの縁だ中学の勉強位なら教えれるぞ、あと敬語、不慣れならタメ語でも良いぞ、ただ敬語に慣れた方が面接の時は楽になるかもな」
「わかりました、今日は勉強するもの持ってませんから、次できる日はいつですか?」
「毎日、日が落ちた頃に、我はここに居るから明日でも明後日でも1週間後でもこい」
「ありがとうございます、明日急用がない限り来ます」
「夜遅いから送っていくよ」
「まだ此処で息抜きしたいので10時位までここに居るので」
「じゃあ待っておるよ」
「申し訳ないから先に帰って良いですよ」
「まず申し訳ないの使い方が間違っておる、申し訳ないは、相手にすまないという気持ちで弁解や言い訳が出来ないという時に使う、それに私は暇だから遠慮しなくて良いよ」
「それなら頼みます」
「雑談混じりで聞いて欲しいが、君は吸血鬼を信じるかい?」
「特には考えた事は無かったけど、吸血鬼がもし生物として正当に進化して出来た生物ではない事ぐらいは想像出来る」
「そう思う理由は?」
「まず進化する過程で、太陽に当たったら死ぬ生物なんで生き残れる訳がないから、だけだと説明不足ですか?」
「なるほど、生物が進化してきたと考えるならそうなるだろう、じゃあ神が生物を作った創造論を正しいとした場合は?」
「創造論を信じると、神がわざわざ、吸血鬼を作って、ほぼ人類の上位互換みたいな奴がいるのに人類を残す理由もない、なんでこんな質問を?」
「普通の人はどのように考えてるか知りたかっただけだ」
「自分が普通の人間じゃない見たいに聞こえますけど」
「自分を特別扱いしないと生きていけるような自信を持てぬ」
「自信か、いつも自信を持ってるようで、ズルズル過ごしてきた俺には分からないな」
「お前本当に中学生か?」
「学生証見せようか?今は持ってないから明日になるけど」
「分かった、明日な、約束ね」
名前も知らない女性が笑顔になりながら言った。
「そういえば名前言ってなかったですね、僕は三浦優輝です、貴方の名前は?」
「私はアリーチェ、見た時から気づいてるだろうけど、日本出身ではない、イタリア出身だ、アリーチェでもアリーチェさんでも呼び方はなんでも良いよ」
「わかりました、アリーチェさんと呼ばせて貰います、もうそろそろ時間だから帰ります」
「分かった家の前まで送っていくよ」
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