第3話:眼から光線
「アンドレイ=ラプソティ様はさすがは『天界の十三司徒』と呼ばれるだけあって、エリート思考のレイシストなのデス。シャイニング・眼から
「アリスちゃん……。その口でモノ言う前に行動する悪癖は止めておいたほうが良いのでッチュウ……。アンドレイ=ラプソティ様、生きているでッチュウ? 死んでしまったのならば、復活天使術をアリスちゃんにかけさせるのでッチュウ」
アンドレイ=ラプソティはただいま、アリス=アンジェラの不気味に光り輝いた右眼から発せられた一条の
アリス=アンジェラの放ったシャイニング・目から
そもそもシャイニング・眼から
例えとして、ニンゲンの男が2人居たとしよう。どちらがより勇敢な戦士かを競い合う前に、まずは自分のおちんこさんのサイズがどれほどのモノなのかを主張し合うと言えばわかりやすいだろう。とんでもないビッグサイズのおちんこさんならば、その場で決着がつく。ドロドロの血みどろの戦いになるのは、大概、1~2センチュミャートル程度の違いからの物理の力でわからせてやるという流れなのだ。
これでシャイニング・眼から
「アリス殿。もしも、私がまた堕天移行状態になってしまった時は、レオン同様に、私の
「それはお断りさせていただきマス。ボクが創造主:Y.O.N.N様から与えられた使命は『レオン=アレクサンダーから天命を回収すること』と『アンドレイ=ラプソティを天界に連れ戻す』ことデス」
彼女のこの返しにアンドレイ=ラプソティは苦笑せざるをえなくなってしまう。どこまでも真っ直ぐであり、そして、どこまでも強情なのだろうかと。創造主:Y.O.N.N様がアリス=アンジェラを地上に遣わした理由がなんとなくだが理解できてしまうアンドレイ=ラプソティであった。
(普通なら誰しもが嫌がる任務なはずです。用済みになったからと言って、廃棄せよと創造主:Y.O.N.N様が私に直接言ってこなかったのですから……。アリス殿は『混ざり者』ゆえに創造主:Y.O.N.N様からそう命令をされたと思っていたのですが、実のところ、この性格を見込んでのことなのでしょう)
アンドレイ=ラプソティは自分でも気づかぬ内にポタポタと両目から溢れる液体を地面に落とし、染みを創り出していた。本当なら守護天使として、レオン=アレクサンダーの傍らに30年近く居続けた自分にこそ、レオンから天命を回収せねばならぬはずであった。しかし、創造主:Y.O.N.N様は慈悲溢れるお方である。そのむごたらしい命令をついには自分にはお与えにはならなかった。
そして、肉持つ身であるアリス=アンジェラを恨めとばかりに、彼女を地上に遣わせたのであろうとさえ思ってしまう。アンドレイ=ラプソティが創造主:Y.O.N.Nを憎く思うのであれば、その代弁者であるアリス=アンジェラの命を奪っても良いというはからいなのだとさえ思えて仕方が無い。
実際のところ、アンドレイ=ラプソティは堕天移行状態に陥り、アリス=アンジェラの腹を引き裂き、腹の内側からアリス=アンジェラを犯し尽くしてやろうとさえ思っていた。だが、堕天移行状態から通常の天使へと帰還した今、アリス=アンジェラへの恨みつらみは若干ではあるが軽減されていた。
しかしながら、これはあくまでも若干であり、レオンの守護天使である自分に何の断りも無く、レオンの命をああもあっさりと奪ってしまったアリス=アンジェラへの複雑な思いが全て消えることは無い。アンドレイ=ラプソティはアリス=アンジェラの身上と心情を考慮しつつも、アリス=アンジェラの言動にこめかみにうっすらと青筋が浮き立つほどにはイライラッ! と不満を募らせることになる。
「お腹が空きまシタ。でも、周りにあるのは塩と
「あの……。コッシロー殿。私はアリス殿を張り倒して良いんでしょうか?」
「自分はノーコメントなのでッチュウ。でも、アリスちゃんの言う通り、お腹が空いたのは事実なのでッチュウ」
身体に
ところどころ、その白を汚すように黒い
「河川まで塩になっているのは驚きデス。お腹が空いたのはある程度まで我慢できますけど、さすがに飲み水も一切無いのはきつすぎマス」
「これは困ったでッチュウね。塩の大地といようり、まさに死の大地なのでッチュウ。悪い意味でさすがは『天界の十三司徒』なのでッチュウ」
「そもそも飛んでしまえば良いと思うのは私だけなのでしょうか?」
アンドレイ=ラプソティは身体を預けているコッシロー=ネヅにそう言うが、コッシロー=ネヅは頭を左右に振ってから、否定の言葉をアンドレイ=ラプソティに向かって放つ。
「アンドレイ=ラプソティ様の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます