【主従オフコラボ】悪魔と執事 #あくまとしつじ?

 おやおやおやぁ?

 これはこれは……。


 :悪魔にっこにこで草

 :これは紛うことなき悪魔w

 :やめたれwww


 仕事モードのユーリは基本鉄面皮で、たまに笑顔を見せるくらいなのだが……。

 あ、我をからかう時はいつも活き活きしてんな、こいつ。

 まぁ、それを除くと……


「我にも中々見せぬ表情だな……?」


 そう言いながらユーリの顔を覗き込むも、すぐに逸らされてしまう。


「ほんとに、まじで、やめてください」


 我に対しても仕事モードを維持できないとは、中々に重症だな。


 :ユーリちゃんレベルになれば褒められ慣れてそうなのになぁ

 :悪魔が褒めなさすぎなんじゃね……?

 :悪魔が褒めないせいで耐性がないのか

 :これは悪魔が悪い

 :悪魔が悪いわ

 :謝れ


「えぇ……これ、我が悪いのか?

 というか、我も普段からちゃんと評価しているし、口にも出しているぞ」


 :そうなのか?

 :とか言ってどうせ仕事の内容とかだろw

 :あーありそうw


「うむ。ユーリの仕事の出来は皆が知ってるように素晴らしいものだからな。

 我の自慢の執事であるぞ」


 :悪魔くん、あのさぁ

 :それはあくまで仕事のことであって、ユーリちゃん自信を褒めてないでしょ?

 :もっと自慢の執事とか言ってあげろよ

 :日頃の感謝は大事だぞ

 :お前らはもっと親に感謝して、どうぞ

 :ママー!いつもありがとー!

 :いい子なんだけど……きしょいわ

 :なんでや、解せぬ(´・ω・`)


 何だか別のノリでコメ欄が盛り上がっているが……。

 そうか、もっと普段からこういうことをちゃんと伝えるべきだったのだな。


「ユーリよ、いつも助かっている。

 本当にありがとう。頼りない主かも知れぬが、これからも頼む」


 :うんうん

 :すぐに行動に移せるのはいい事や

 :でもなぁ、タイミングがなぁ……


 我はただ皆が言うように感謝を伝えただけなのだが……。


「あの……ヴァイサー様、失礼を承知で申しますが……」



「ちょっとはタイミング考えろやぁぁぁ!!!」


 なんか、めちゃくちゃ大きな声で怒られた。

 解せぬ(´・ω・`)


 ◇◆◇◆


 少ししてユーリが落ち着いてからやっとまともに配信がスタートした。


「んで、結局今日は何やるんだ?」


「そうですねぇ……ぶっちゃけ何も決めてないんですよね〜」


 あのままじゃ違和感が凄いということから、普段の配信時のスタイルに戻している。


 :まさかのノープランw

 :はぁ、またこいつらは伝説(笑)を生み出そうとしてるのか……

 :↑今までのはガチ伝説だぞ


「せっかくなら俺たちにしか出来ない、オフコラボでしか出来ないことやりてぇよな」


「2人の普段の感じを見せるってのも今さっきやっちゃったし……」


 うーん……と2人で悩んでいると、1つのコメントが目に付いた。


 :2人とも悪魔なんだし、魔法見たいな


「おー!魔法か!いいな、それ!採用!」


「確かにいいですね!準備も特に要らないですし!」


 配信のコメント欄に『悪魔と執事の魔法バトル』と固定コメントを書き込んでいく。


 :まさかの採用w

 :1番準備必要やろこれ……

 :運営可哀想‪( ˙꒳​˙ )‬

 :もっと運営を大事にしろよ……


 運営を大事にしろと言われてもなぁ。

 俺らは実際、悪魔で魔法なんて息をするように行使出来るものだからな。

 対して準備も必要ないのだ。


「よし、固定コメントも出来たし、移動するか〜」


「久しぶりの手合わせ燃えますね〜」


 ユーリを近くに寄せ、指を鳴らす。

 するとリスナーにとってはお馴染みの荒野に移動した。


 :伝説の荒野じゃねぇかw

 :またここで伝説が生まれるのか……

 :毎度ボッコボコにされる(予定)荒野くんカワイソス


「ユーリよ、今日のルールはどうする?」


「無制限、3スト制でいいんじゃない?」


 おー。割とマジでやる気だな。

 無制限というのは、使用する魔法に制限を掛けないというもの。

 んで、3スト制って言うのは​────


「俺とユーリそれぞれに即死級のダメージまでを1発防ぐ防御結界を3枚張るって事だな」


 まぁ、即死級ってのは一般魔族のレベルでの話だがな。

 俺らのような高位の魔族が食らったとて、精々部位が欠損するくらいだな。


 最上級の結界となると、魂滅級のダメージを防ぐってのがあるが、流石にこれを張ると突破出来る魔法は数が限られてくるから、あえてレベルを落としているという訳だ。


 :思ったよりガチで草ァ

 :草生やしてる場合じゃねぇw

 :このレベルが手合わせ……?

 :なんなんだこいつらw


 リスナーに説明している間にユーリの準備も終わったようだ。


「準備は良いかユーリ」


 配信用として、いつもよりも挑発する。


「あぁ、悪魔王。魔法の貯蔵は十分か!」


 こいつ、ノリノリで乗ってきやがった。

 楽しくなってきたな!

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