学校
俺は久しぶりに学校に行く。
桜田「おはよう仁君」
仁「桜田さんおはよう」
桜田「仁君、学校に来るの久しぶりだね。」
如月「ひさしぶり仁君」
仁「ひさしぶり~」
橘さんには相変わらず睨まれている。
明日からは夏休み前の試験があるから生徒たちは焦って勉強している。
桜田「仁君、今日の夕方空いている?」
仁「ごめんね。空いてないんだ」
桜田「そっか」
桜田さんが悲しそうな顔をしている。
仁「いつも夕方は華さんに稽古つけて貰っているんだけど桜田さんも一緒に来る?」
桜田「え、いいの?」
桜田さんの目がキラキラしている。
仁「うん。良いと思うよ」
如月「なになに、何の話しているの?」
桜田「仁君と一緒に華さんに稽古つけて貰うんだ」
如月「私も行きた~い」
桜田「仁君いいの?」
仁「良いよ。行こうか」
橘さんはどっちか分からないな。
仁「橘さんも行く?」
橘「うん」
橘さんは小さく頷いた。
華「今日は随分大人数で来られましたね」
仁「華さん私はいつものメニューしとくのでこの3人に稽古つけてくれませんか?」
華「分かりました」
そう言い3人を連れてどこかへ行った。
俺はくうととび、雫、柚を出して模擬戦闘を始めた。
とびが切り裂いて来る。
仁「妖撃」
俺はとびに向けて攻撃した。
パン
しかし柚の結界により弾かれてしまう。その間にくうと雫が攻撃してきた。
くうの攻撃を避け雫の刀は右手で防ぐ。右手は玉藻が力をくれているため刀に斬られることはない。
とび「
まずい手足が拘束された。その状況に追い打ちをかけるように
雫「
くう「
ズパッ ドカーン
煙が上がり粉塵が舞う。あまりにも大きな音だったのか色々な人が見に来ていた。
くう「やったかな?」
雫「いまのは完璧でしたね」
粉塵の向こうには立っている人影が見えた。
雫「やれていませんね」
危ね~。今回は本当に危なかった。気術爆炎龍は距離が近ければ近いほど威力を発揮する。
それをくうは至近距離で使ってきたのだ。それに雫の刀、俺の反応が遅ければ身体が真っ二つになっていた。
避けて結界を張ったことで大怪我は免れたが背中を斬られ、とっさに出してした左腕がくうにやられた。
仁「妖撃」
パン
またしても柚の結界だ。式神が全体的に強くなっている。
恐らく俺の使える気の量が増えて式神に込める気の量も増えたからだろう。
くう「
くうの攻撃と共にとびと雫が近寄ってきている。
仁「
気で作った壁で相手の攻撃を遮った。
結界は全方向を守られるが妖壁は前方しか守れないため横、後ろ、上からだと攻撃を受けてしまうのが欠点である。
雫「
雫の攻撃を抑えて手刀で倒す。
仁「
とびとくうを拘束した。
俺は柚に近づいた。
柚「負けました」
その言葉を聞き俺はくうととびの拘束を解いき式神を戻した。
柚は祈祷師の式神であるため結界の強度やお祓いの効果が強く俺は敵わないが1人で戦えるすべを持っていないため1対1では戦えない。
パチパチパチパチパチパチパチ
拍手が聞こえる。
理事長「仁君、素晴らしかったよ。随分強くなったね」
拍手をしていたのは理事長だった。
仁「ありがとうございます。でも皆さんの足元にも及びませんのでまだまだ鍛錬が必要です。」
理事長「今度わしと手合わせしないか?」
仁「へぇ?」
理事長「わぁははははは」
どうやら俺の驚いた顔が面白かったようだ。
理事長「試験が終わる3日後の放課後に闘技場でよいか?」
仁「私に拒否権は」
そこまで言うとあると思っているの?と言う顔で理事長が見てくる。
仁「わかりました。3日後、放課後に闘技場でお願いします。」
俺がそう言うと満足した様子で理事長は帰っていった。
如月「仁君、強いね」
桜田「速すぎて見えなかったよ。」
橘「すごかった」
仁「ありがとう。そっちはどうだったの?」
如月「こんなに気を使った練習したことが無かったから疲れた」
橘「仁君っていつもあんな練習してるの?」
仁「そうだよ」
橘「だからあんなに強いんだね」
俺は橘さんの表情の変化にびっくりした。今までは睨んでいる顔しか見たことがなかったが今は穏やかだ。
橘「今までごめんね。僕、仁君のことが決闘以来ずっと大っ嫌いだったの。でも今日の練習やってみて気が付いた。
こんな僕だけど今からでも仲良くしてくれる?」
仁「うん。よろしく」
俺が答えると橘さんが満面の笑みになった。
仁「華さんと桜田さんは?」
如月「まだあっちで戦っているよ。」
2人は先に帰るようだ。
如月「バイバイ仁君」
橘「またね仁君」
俺は2人に手を振り返す。
2人を見送った後、華さんと桜田さんの所へ向かっている。
カキンキンキンカキンキン
まだ戦っているようだ。俺は2人の邪魔にならないように影からこっそり見る。
華さんが刀で桜田さんは双剣で戦っている。
少し経つと華さんの攻撃回数が増えた。恐らく気功により気の消耗と体力が削られ華さんが優位になったのだろう。
じーっと華さんを見ていると目が合った。なぜか華さんの顔は真っ赤になっている。
次の瞬間、桜田さんの双剣が2本とも弾き飛ばされた。
桜田「華先生負けました」
華「桜田さん前回よりも気功がうまく使えていてとても戦いづらかったです。あと体力が足りませんね。
夕方は毎日、私と仁様は練習するので桜田さんも来てみませんか?」
桜田「良いんですか?」
華「良いですよね仁様?」
仁「良いですよ。一緒にやりましょう」
桜田さんは俺がいたことにびっくりしたのか顔が真っ赤になっている。
桜田「仁君が見ていてくれたん知っていたならもっと頑張れたのに」
とボソッ呟いた。
仁「ごめん。聞こえなった。もう一回行って欲しい」
桜田「なんでもないですよ。いきましょう」
桜田さんが俺の腕を引っ張る。それを見た華さんがもう片方の腕に身体を寄せてきた。
俺たちはこのまま寮に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます