帰宅

安成「今回は支援に来てくれてありがとう。仁のお陰でどうにか福岡含めて九州の悪霊が落ちついた。


広島も今は落ち着いているらしい。帰りに一堂家にも寄って行ってくれ。」


仁「お役に立てて良かったです。」

そう言い俺はとびに乗った。


安成「今度は瞳を連れて遊びに来な」


仁「安成さんもぜひこちらにいらしてください。」

俺たちは手を振り八神家を去った。


仁「華さん。一堂家に寄っていいですか?」


華「はい。大丈夫ですよ。」


俺たちは一堂家に向かった。


華「仁様。今回は大活躍でしたね。」


仁「いやいや妖霊省の協力があったからどうにかなりました。」


華「確かにあの数を5家だけで対処しなければいけないとなると多大なる犠牲が出るかもしれません。」



とある場所

「はあはあはあはあはあ」

呼吸が荒い男がいる。


「しょうやくんしっぱいしちゃったね」


晶矢「許してください許してください。なんでもします。」

男は少年に懇願している。


「わかったよ。しょうやくんにはもっとつよあやつあげる」

そう言い子供はグチョグチョの真っ黒い塊を出した。


晶矢「でもこれって」

男は何か言いたそうに言った。


「え、のまないの?」


晶矢「他にも方法があるんですか?」


「ないよ。ここでこれをのむか、ぼくにたべられるかどっちがいい?」


晶矢「飲みますすぐ飲みます。」

ゴクッゴクッゴクッゴクッ


晶矢「ううあうああああああ」

男が叫び声をあげる。その後、肉が千切れる音がしてきた。


ブチブチブチブチブチブチブチブチ

晶矢「苦しい。クルシイクルシイイタイ」


「しょうやくんきみはてきせいなかったようだね」

グチャグチャグチャグチャグチャグチャ

何かが皮膚を貫通しているのだろう。


晶矢「タスケテタスケテ」

男は子供に助けを求める。


「もうすこしすればいたみはおさまるよ。」

子供が言ったこの言葉を最後に男は静かになった。


「しょうやくん。さいごのしごとだよ。行こうか」


晶矢「ウン」

子供は男だったらであろう者と歩いて外へ出て行ってしまった。


俺は一堂家に着いた。

門番が怪しい顔で俺たちを見ている。


仁「こんにちは。三栗谷家当主の仁です。楓さんはおられますか?」  


門番「三栗谷家当主様ですね。少々、お待ちください。」


完全に警戒されている。確かに昨日悪霊に襲われたばかりのため警戒心がいつもよりも強いだろう。


門番「中へお入りください。」


仁「挨拶だけしてすぐに帰ろうと思っておりますので」 


門番「わかりました。部屋までご案内いたします。」


一堂家当主は楓だ。楓さんは妖霊省の特別顧問として職員の指導にあたっている。


門番「楓様。お客様をお連れしました。」


楓「ありがとう。」

襖から1人の女性が出てきた。この女性こそが楓さんだ。


仁「本日はお忙しい所ありがとうございます。」


楓「いや、大丈夫だよ。そっちは大丈夫だったか?」


仁「はい。三栗谷家の方は建物が損壊しただけで済みました。ただ、八神家の者達が負傷者しましたが死者はおりませんでした。」


楓「それは良かったのう。」


仁「一堂家はどうでしたか?」


楓「封印が解かれてしまった。ただ死者はいなかったことが幸いした。それで一つだけ話しておきたいことがある。」


楓さんが呼吸を整える。


楓「門番や封印の護衛をしていた者たちが子供が悪霊を生み出していたと言っていた。」


仁「悪霊を?」


楓「そうよ。最初は門番が言ったのだが私は冗談だろうと思っていた。


だがここで戦闘に参加したほとんどの者が子供を見ており、その中の数人はその子供が悪霊を生み出したと言っておった。」


仁「悪霊を生み出す子供か」


楓「疑っているようだね。でも一堂家に嘘をつく者はいないよ。」


仁「そうだね」


楓「だからだ気を付けてくれと二条家当主に伝えてくれるか?」


仁「わかりました。私たちに何か手伝えることはありますか?」


楓「仁。お前は福岡の戦闘で大活躍したそうじゃないか。とても疲れただろ、早く帰って休みな。」


仁「わかりました。私たちはそろそろ失礼します。」


俺は一堂家の人たちに挨拶して回った。その間、華さんは楓さんとお話しをしていたそうだ。


楓「来てくれてありがとう仁」


仁「こちらこそお元気で良かったです。では失礼します。」


「仁おにいちゃんいつでも遊びに来てね~」

子供たちが笑顔で手を振っている。


子供たちの笑顔はいつ見ても可愛い。俺も手を振り返した。

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