福岡

朝だ。いつも通りに準備をしていると華さんが朝食を作っている。珍しく華さんが俺よりも早く起きている。


華「仁様おはようございます。」


仁「今日は早いですね」


華「はい。今日は絶対についていきますので置いて行かれないようにですね。


仁様私が起きなかったら置いて行く気でしたよね?」


俺はこの質問には答えない。なぜなら置いて行く気だったからだ。


華「図星なんですね」

華さんが笑っている。


華さんのご飯は美味しかった。


俺はとびに乗って華さんは龍に乗り八神家に向かった。


空には悪霊はいないが天狗や一反木綿などの妖怪が多く飛んでいる。


妖怪は人間の生活に溶け込んでいる者が多い。しかし中には人間に危害を与える妖怪も存在する。


その妖怪は大天狗様が指揮する天狗により拘束され処罰が下される。


大天狗様は妖怪の妖霊省の役割をしている。


大天狗「お久しいな。仁」


仁「お久しぶりです。」


大天狗「最近、悪霊の動きが活発で妖怪からも被害届が例年より少し多いのよ。」


仁「そうなのですね。悪霊が邪魔なようであれば始末してもらっても構いません。それか三栗谷家に使いを送ってくださればすぐに私が対応いたします。」


大天狗「そうかじゃあこっちでも倒しとくわ。じゃあな」


そう言い大天狗様は行かれた。大天狗様とは9歳の時の悪霊討伐の時に大天狗様の部下を助けたことで知り合った。


華「大天狗様ですか?」


仁「そうです。初めて会いましたか?」


華「妖怪ってこんなに簡単に会えるのですね」


仁「そろそろ迎え火ですからね。」


華「迎え火は妖霊省が忙しくなりますね」


迎え火は霊がこの世に帰ってくるため事件がたくさん発生しやすくなる。


送り火は霊をあの世に送るため妖霊省の特に祈祷師たちと天狗が忙しくなる。


八神家に着いた。

仁「すみません。安成さんいますか?」


「はい。いますけどどちら様ですか?」


仁「三栗谷家当主の仁と申します。こちらは私の付き人の華です。」


「失礼しました。すぐにお呼びいたします。」


安成「いらっしゃい。こっちでいい?」

そう言うと1棟の建物に案内された。


安成「部屋は一緒でも大丈夫?」


華「大丈夫です。」

俺も頷き華さんの意見に同意を示した。


安成「明日の明朝には出るからそれまでゆっくりしときな。」


そう言い安成さんは出て行った。


翌朝

安成「仁、準備はできたか?」


仁「はい」


俺たちは安成さんと八神家の陰陽師たちと福岡にある妖霊省の支社に向かった。



支社に着くと同時に悪霊が発生したと職員から聞きすぐに安成さんと共に悪霊の発生現場に向かった。


駅前での発生と言うことで支社からは近いためすぐに現場に着くことができた。


恐らくだがランクは弐。俺が気功を使い倒そうとする前に安成さんが斬り倒した。


早すぎて見えなかった。


仁「お疲れ様です。」


安成「おう。仁や」


仁「どうしました。」


安成「おかしいと思わないか?」


仁「おかしい?」


安成「悪霊はバレないように人間を喰うだろ。」


仁「はい。」


安成「お前が悪霊ならいつ人間を喰おうと思う?」


仁「夜の大通りから外れた場所、人気がない場所ですね。」


安成「そうだろ。じゃあなんでこいつは朝っぱらから人通りの多い場所に居ると思う?」


仁「もっと効率的に強くなるためにたくさん人間を喰える場所だからか、他に目的があるからその囮のためかの2択ですかね。」


安成「他に目的があるとしたらなんだと思う?」


仁「悪霊の対処に人員を割いているので5家の守りが薄手になっているので悪霊であればこれとないチャンスですよね。」


安成「おい、お前たちはすぐに屋敷へ帰れ」


そう言い安成さんが八神家の人間を家に帰した。


安成「仁は帰らなくて良いのか?」


仁「華さん屋敷頼んでいい?」


華「わかりました。」

華さんが式神に乗って行った。


仁「この悪霊たちの元凶っぽいやつが1人いるんですけどどうしますか?」


安成「もちろんやるだろ」


仁「後ろのビルの屋上から見られてますよ」


安成「行くか」


俺たちは気功を使いビルの上まで行った。


「見つかりましたか。」


安成「お前が今回の原因か?」


「そうですよ。まぁ時間は稼げたんでいいんですけど」

と言うと形が変わった。


顔には目が3つあり腕が片方2本の全部で4本、それに九尾のように尻尾が4本生えた奴がいた。


するとそこへ八神家の陰陽師が来て安成さんに何かを伝えた。


安成「仁、ここを頼んでいいか?」


仁「もちろんです。早く屋敷に向かってください。」


安成「頼んだぞ!」

と残して安成さんは屋敷に戻った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る