学校生活(2)

どのくらい時間が経ったのかわからないが何も変わらず真っ暗な空間にいる。


歩いても歩いても広がっている空間に俺は歩くのを止めて座った。


ここはどこなのかわからないが式神を呼んでみる。しかし、俺は紙を持っていないのでいつも通りの行動を紙なしでやってみた。


「主様どうされましたか?」

とびが召喚できた。


俺はとびに乗り上に行ってもらうように言った。すると1メートル上がったぐらいで壁のようなものに当たった。


上を見ると壁があるとは思えない程真っ暗でいまにでもその闇に引きずり込まれそうだ。


俺はとびにお礼を言いとびを戻した。


「まだ戻っておらんのか」

そこへ前に会話をした人の形をした何かがいた。


俺が言いたいことがわかったようで

「願え。元に戻りたいと強くな」

そう言い俺の前に座った。


俺は願った。妹や華さん、式神や分家のみんながいる所に戻り当主としてみんなを守りたいと強く願うと真っ白な天井が見えた。


俺は横を見る。


どうやら学校の保健室のようだ。周りには誰もいないため、起きあがろうとするが身体が動かない。


気を使いすぎたせいで身体が動かないようだ。俺はもうひと眠りついた。



どれくらい経ったのだろか空がオレンジ色になっている。身体を起こすことができ身体が動く。


俺は身体が自由に動かないのでくうを出し背中に乗り教室まで移動する。


教室では何かの授業があっているようだ。くうに乗ったまま教室に入り俺の席に行く。


教室では誰も視えないため俺に気付いていない。担任はいま黒板に術式を書いているため俺には気づいていない。


担任が振り返る。目があった。担任の目が俺に固定され口を大きく開けたまま固まっている。


担任が固まっているため周りの生徒が担任の目線の先を振り返り確認するが、多分そこには誰も座っていない机と椅子が見えているのだろう。


みんな不思議そうに担任を見ている。俺はくうに座りながら授業を聞く。


術式は悪霊を倒すための攻撃方法と思ってもらう方がわかりやすい。


術式の中で誰でも使いやすいのが霊撃で気を敵に放つ攻撃だ。


霊撃を極めると妖撃を使うようになれる。だだし、妖撃は霊撃より気を多く使うため、上位の役職や気の扱いに長けた人ではないと戦闘中に倒れてしまうが悪霊への効果はとても強い。


式神も術式を使うことができるため召喚する者である召喚者が術式についての知識が不足していると戦闘時に不利な状況になりやすい。


式神を作る時に術式を書き込むことで式神が術を使うことができる。


そのため術式は陰陽師にとって気功と同じくらい大事な知識となっている。


授業が終わりホームルームが始まった。来週からは実戦が行われるらしい。


俺たち1年生は悪霊ランク四を相手に、1グループ4人で戦うらしい。


この実戦のグループを明日のホームルームまでに報告しろとのことだった。


ランク四でも3人以下の警察官だけでの対応であれば瞬殺される可能性があるため警察官も4人1組で行動しているくらい脅威だ。


悪霊の発生は大体がランク四で発生件数は1番である。


ランクは下から四、参、弐、壱、不明がある。不明は陰陽師5家で封印されているやつが1番わかりやすい例だ。


壱は陰陽師神職上段なら1名で中段であれば2名以上で対応しなければいけない悪霊である。

下段で対応しなければいけない時は4〜8名で対応する。


弐は陰陽師神職中段なら1名で下段なら2名、

参は下段なら1名、一般職上段なら2名であり四は一般職上段なら1名、中段なら2名で対応する。


もちろん応援はいくら呼んでも構わないがランク壱に一般職上段が来ても足手まといなだけなのでそこを理解する必要がある。


特別警報はランク弐の悪霊が発生した時や発生しやすい時期の時に発令されるため頑丈な建物への避難が必要となる。


俺がくうに乗ったまま帰りの支度をしていた所に桜木さんが来た。


桜田「三栗谷君、体調大丈夫なの?」

桜田さんが霊を視えることを俺は初めて知った。


仁「大丈夫だよ!桜木さん視えるんだね。」


桜田「華先生と気の使い方を練習していくうちに視えるようになったんだ。一緒に帰らない?」


仁「今から用事があるんだ。ごめんね」と言い華さんの所へ向かった。


くうに乗っているためすぐについた。


華「仁様お身体は大丈夫なんですか?」

と聞かれたが俺は「問題ない」と返した。


今日やるのは私が集中力をきらせるように邪魔をするから気功をずっと続けることだそうだ。


場所は何故か知らないが俺の部屋になった。


俺は気功を使っている。華さんは何故か俺に抱きついている。


でも今の俺は気功を使っているため華さんに触れることができない。


気功は身体能力を上げる効果があるため触れてしまうと打撃をしたことになる。


仁「華さん離れてください」


華「嫌ですよ。最近桜木さんと仲が良いですね。」

頬を膨らませ怒っている。


華「私、本当はここにくる予定はなかったんですよ。特別講師みたいな感じでいま居ますけど仁様が学校に行かれると聞いたのでお使えしたく理事長にお願いして特別講師としているんです。


仁様と言ったら式神に、抱きついているし今日の朝はとても冷たいし桜木さんとはとても仲が良いじゃないですか。


当て付けなんですか。私が仁様のことを好きだと理解してそんな行動を取ってらしたんですか?」


仁「え、俺のこと好きなの」


華「そうですよ。仁様、気功解けてるのでかけ直してください。」

あれ、なんかすごく普通に言われたな。


俺は気功を使う。華さんの話はまだ終わらない。


華「それに仁様かっこいいから女子生徒にすごく人気がありますし、教師陣にも人気なんですよ。


理事長が仁様と孫が結婚してくれたら良いのにと私に言ってくるんですよ。」

そう言うと華さんはどこかへ行った。


時間を見るとまだ10分しか経っていない。残り時間は110分ある。俺はその現実を知り考えることを止めた。


そこへ華さんが戻ってくる。手にはお酒を持っており飲み始めた。


この国ではお酒は15歳から飲んでも良いが俺はお酒が好きじゃないため飲まない。


そのうち華さんの格好がどんどん乱れていく。俺はこういう時、華さんは自分がどう相手に見られているのかを知ったほうがいいと切に思う。


華さんの話はまだまだ続く。


華さんの元には色んな方から結婚の申し出やお見合いのお話が届くのだが全て拒否しているそうだ。華さんのご両親もそれで良いと思っているそうで華さんを全力で応援している。


華さんは俺の上で眠ってしまったようなので残りの時間、柚を出して気功の鍛錬をした。


鍛錬が終わると華さんをベッドに寝かせてご飯を作った。


華さんはご飯の匂いにつられて起きたようだ。


仁「華さんご飯食べていきますか?」

華「うん!」


華さんの嬉しそうな顔が可愛いすぎて今日のご飯は失敗した。

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