香蓮(恋愛観)

私は...運命の人がいると思う。

白馬の王子様を待つお姫様のようなおとぎ話ではないけど、

どこかに自分の運命の人がいると思う。

それは漫画とかみたいに突然雷に打たれた感覚ではないけど、

会ったら、何かを感じると思う。


まさに...だった。

目の前にいる人は運命の人じゃないかと感じてしまいそうな自分がいる。


古海うるみ香蓮カレン

蘭華ランカと同じ某都内大学を卒業して、都内の一般企業で勤めて4年目...


彼女は今日出会った男子大学生、設楽したらラクに言った言葉を思い出して、恥ずかしさで顔が少し赤くになりながら考えている。


縁とかいうけど...それはちょっと格好をつけ過ぎたかな。

相手が年下だからって、そんな大人ぶったことを言うのも初めてかもしれない。

これはたぶん会社ではあまりこのような態度が取れる人がいないからかな...

もちろん会社の後輩はいるけど、仕事は仕事で社会人としての規範を守ることは前提だ。

後輩に対しては時々先輩面をすることもあるけど...なんでこんなに違うのかな...?


設楽...ラクくんか...

ふふっ、変な人...

いや、変わった人だな。

でも、不思議なことに...あの子...言っていることは正論だし、反論する余地はない。なんか生意気に見えるけど、でも自分の考えに自信を持っている。

聞いてみたら、まさか同じ大学の後輩だ!

こっちはOGになったけど、その意外な共通点では素直に嬉しい。

でも、ラクくんは理学部だから、文系の私とは雰囲気が違う感じだよね。

本当に漫画のキャラクターのままで出てきたザ!理系男子!という感じだからな...

全くそのイメージとは裏切られない。


でも、不思議だな...

今まで会ってきた男性の中では気が合う...

話しやすいとか話をして楽しいとかはまた別で、この人が言っていることはただのストレートの事実であって、それに対して分からないことがあったら、私は素直に聞いて...彼も私の考えを否定せずに丁寧に分かりやすく説明してくれた。

そこはよく出てくる典型的な理系の人とは違うポイントかもしれない。

自分の考えが正しい!

そんなことさえも分からないのは無知とか勉強不足だ!

とかを言いそうだが、

それは漫画のキャラクターしかないか...実際に会ったことはないし。


カレンは決して彼氏歴ゼロというわけではない。

学生のときから何人か付き合っていた恋人がいた。

別れる理由も決して不思議で不可解なことではない。


例えば

付き合ってみたら、思ったと違うとか...

あんたは良い人だけど...もっとソフトな性格の方が好きとか...

最後に付き合っていたのは大学の時から社会人の2年目までの彼氏は、お互い仕事には忙しいし、さらにカレンの方はもし結婚しても仕事を辞めないから、個人的にはこれ以上付き合ってもお互いにはすれ違いが多くなり、遅かれ早かれ別れると思うから...ここで別れると決めたと言われた。


実は前の彼氏の件がかなりカレンに心のダメージを与えて、今は恋愛に対しては消極的な姿勢になっている。

さらに仕事が忙しい彼女だからこそ、今回は偶然だといってもこのような出逢いは久々であり、不思議な縁を感じるほどの出来事だった。

と彼女は別のことをふっと思った。


不思議で不可解な出来事を証明することが趣味なら、

今彼女が出会った...出会ってしまったあの不思議な存在についてぜひ証明して欲しい...

あのを。


とりあえず...マッチングアプリのせいなのか運命なのかそれはさておき、この縁はどのような形に発展することであれ、また続けたいと思っている香蓮。

そこで、彼女は自分のスマホを取って、何かのメッセージを打ち始めた。

打ち終わったメッセージを確認して、送信ボタンを押した彼女は少し安堵の表情になった。

今日出会えたことについて自分の率直な気持ちを相手に伝えるつもりだけだ。

恋愛対象とかはまだ一回しか会っていないから、なんとも言えないけど...

友人としてでも...

今の仕事のおかげで恋愛の話を積極的に進める余裕もないが、決して恋人が欲しくないというわけではない。

これを機会にずっと辛いと感じたこの日常から一時でも逃避できればそれでいいかもな...

科学のことはほぼさっぱり理解分からないけど、説明してくれる相手ができたし...

と思ったそのとき、彼女のスマホには通知音が鳴った。


それを確認しようとして、画面を見ると...彼女はふっと笑い出した。

「返事固すぎ...会社の人みたい...ふふっ。」と言ってから、突然忘れたことを思い出した。

「そうだった。あの巨漢の部屋探し...完全に忘れた...ごめんね、ランカ」と少し申し訳なさそうな顔をして、スマホの画面を見て、慌てて何かを調べ始めた。


そう...

恋とは...不思議で不可解な感情であり、さらに縁が結ばれた人々にとってはいかにも分離しようとしても離れがたいことなのかは、彼女...そして、彼は今ではその出来事が起きるまでには理解する術もむろん...なかった。

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