第三王子の追憶~敬愛~

私は...兄上を世界中の何者より尊敬...否!敬愛する!

兄上は、穢れのないダルマと正義そのものと言っても過言ではない...そのようなお方だ。

兄上ならコーサラ王国の王位継承者...否!次期の正しき英雄王に相応しい者は他ならぬ【ラーマ王子】だけだ。


ただ、兄上は聖人と呼べるほどすぎる...その優しさのあまりにあのときの残酷な運命に遭ってしまった。

父上に追放されたときだ...

しかし、その運命を文句一つもなく受け入れた兄上のお姿を見て、その大海より寛大な心に感銘を受けた私は神に...そして、自分の心に誓ったんだ。

そのまっすぐなあなたと共に生きると...

一緒に旅をするときも一緒に戦に挑むときも...いつでも傍にあなたを守るのは私の使命なんだと...思っていた。


しかし、実際には逆に兄上に迷惑をかけてしまった。

特にあのときだ。

なぜ私はシーター義姉上のそばから離れてしまったんだ。

あの黄金の鹿に化けた羅刹ラクシャーサの企みにまんまと騙されたじゃないか...

兄上の安全を案じた義姉上のお願いだから、その決断をして...結果はこうなった。

そうじゃなければ、もともと義姉上が攫われない...

少なくとも私は命を懸けて義姉上を守るつもりであの羅刹ラクシャーサの王と戦う。


その前も...あの羅刹女ラクシャーシーのことを傷つけなければ...これほどの大戦までに発展するだろうか。

あのときは義姉上を襲おうとしたから、咄嗟の反応でやったというものの、もっと冷静に対応すれば...今はどうしようもない過去の話になってしまったが...


でやられたときも...不覚だ...

ダメだ!思い出せば思い出すほど、自分の不甲斐なさしか思い出してこない。

こんな不肖な弟で申し訳が立たない。

こんなをどうか許してほしい...というか、罰を与えてください!

とこのような言葉を言ったら、あなたはたぶんいつもの笑顔で...いつもの言葉を言うだろう。

「私こそ、ラクがいないと、ここまで来られるか分からない...心から感謝している。一緒に来てくれてありがとう。これからもよろしく頼むよ!第三王子殿!」って


あ...これこそは我が王...【英雄王】、ラーマ王子だ。

魔物討伐というより義姉上の奪還は何よりの大事なことだ...

しかし、そのためには戦いは避けられない。

兄上には血に染まる戦には似合わない。

私が兄上の分まで働けば済む話だ。

こんな不肖な私にもお役に立てることなら、何なりとご命令ください。

必ず...真の未来の王の勝利に導くためにこの命を捧げる所存です!

と言ってしまったら、兄上はあなたがいなくなったら悲しいといわれるだろうな。


しかし...

と繰り広げた死闘はさすがに自分でも死ぬかと思った...

さすが【インドラ神】に勝利した者の名の通り、手強いという甘い言葉じゃ表せない。

アイツに勝てたのは信頼できる参謀様の助言と兄上の心を救いたいという強い意志のおかげだ。


だから、ラーマ王子が楽に後列にいて、ラクシュマナ王子はずっと前列で戦っているという噂まで聞いて、ラクシュマナは【苦労人】だと思われた。

それでもいい。

苦労人でも立役者でもいい...

どう思われても構わない。

兄上には苦労をさせない。

この人が汚されることは決して私は許さない。

私は王座でも王位継承権なんていらない。

あなたのそばにいさせるだけで十分だ。

もちろん、これからもずっと義姉上とあなたが幸せになること...

そして、その姿をそばから見守ることは私の何よりの報われることなんです。

兄上の幸せは私の幸せだ。

何があろうともお供にいたします。

たとえ、

業火の中でも...

世界の頂点でも...

世界の果てまでも私は兄上についていきます。


さらにお詫びを言わないといけないのはもう一人

申し訳ない......

君は私の代わりに長年の眠りの呪いを背負ってしまった。

そのため、君の分まで私は不眠不休で兄上のために戦うことができたのはに君に感謝しかない。


夫として、弟として、王子の右腕として、そして、兄上を敬愛する者の一人として、

さあ、今度こそは羅刹羅闍ラクシャーサラージャを打倒するときが来た!

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