羅刹羅闍の誓い

【愛】する我が君...


過去に取り憑かれた【後悔】...


そして、遠い遠い記憶のような【夢】...


それとも夢のような記憶なんだろう...


何回も覚めたくない夢から目が覚めて、

何回も早く目覚めたい悪夢にうなされ、目を覚めてしまったか...

その繰り返し...とその繰り返し...


もう何が現実か何が幻夢か境目が段々分からなくなってきた。

朦朧している意識の中に時間はどれぐらい経ったかも把握できなかった。

余がここに存在する理由も意味も何もかもが忘却の彼方になってしまいそうだ。


しかし、その姿を見た刹那、


間違いない...

間違えるはずがない...

逆光からでも余は確信した。

余の眼の前に現れたのは其方だと...幻だと一瞬でも疑わなかった。


そして、其方の言葉を聞いた刹那、

「また会えたね」という言葉はしっかり余の耳に届いた。

今までの長く...長く...永遠のように止まった時間は動き出しようだ。

嘘にように心が軽くなって、今までの後悔も苦しみも忘れてしまいそうだ。

夢から目が覚めた気分だが、これは夢なんかじゃない!


あ...愛する我が君『シーター』

其方の声がまた聞けただけでこんなに至福だとは...

やはり余にこの世界に生きる意味、そして希望を与えてくれるのは、

まさにしかいない。


ついに余の中には【決心】がついた。

待ち遠しいこの瞬間を待ちわびた。

でも今...ようやく其方とまた会えた!



失うものか!

これは定められた運命だって!?


上等だ!


例え運命に抗おうとしても、

神々のいたずらに踊らされて、理不尽な負け戦で無様に死んでも...

これから何回も何回も生まれ変わっても!


愛する我が君を守る...



余の胸の空っぽの穴を本物の【心】を埋めてくれた其方に感謝する。


例えこの命を懸けて...余の命が尽きようとも

例え其方に永遠に愛されなくても...

例え余が犯した罪は永久に許されないものだとしても!


其方に


愛する我が君シーターだけは余が絶対幸せにする!


余は行く...

其方のもとに...


羅刹羅闍ラクシャーサラージャの名のもとに再び誓う。

其方を今度こそ幸せにしてみせる!


「シーター」



ありがとう...

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