第3話
黛さん(わたし誘われてるんですか?のヒロインの一人)「いっらしゃいませ。あっ、小林勤務さん、いつもありがとうございます」
私(小林勤務)「ああ、どうもって、なんで私の名前を……?」
黛「いや、その……、仕事中にネームプレートぶら下げてますし、それに、いつもお昼に、うちにいらしてるので、特に深い意味はない、です」
私「ああ、いえいえ(汗)、名前まで覚えて頂いてありがとうございます」
黛「お礼を言うのはこちらの方です。私にまで出番をくれまして。ちょい役もちょい役だったのに」
私「いえいえ、実は黛さんのパン屋、私も好きなんです。こうして、お会いできて作者も嬉しいですよ。じゃあ、ねぎみそロールください」
黛「すいません、只今、売り切れてまして、焼き上がりまで、イートインコーナーでお待ち頂けますか? 出来たら、私がお運びしますので。お連れ様も、お待ちになっているみたいだし。女性の(スン)」
私「お連れ様……?」
八須宇理(エンドの恋、サブヒロイン)「こっちこっち~」
私「あれっ? まさかのウリちゃん?」
ウ「じゃじゃーん。まさかのわたしです。びっくりしました?」
私「いや……びっくりはしないけど、早速だな、と」
ウ「そりゃあ、これからエンドの恋に登場していくから、ばんばん顔と名前売らなきゃ勤務さんに出番減らされそうだし」
私「いやいや、大丈夫だよ。ちゃんと、ウリちゃんは活躍するし。もう、最終話まで作ってるから、今さら出番を削るとかないよ。安心して」
ウ「ほんとですか? よかった~、一発屋で終わらなくて。じゃあ、ゴマはすらなくてもいいって感じか……(ぼそぼそ)」
私「……ばっちり聞こえてるけど」
ウ「えっ! いや、違いますよ。ゴマあんぱん食べようかな~って。たはは」
私「うーん、現金な子だな……」
ウ「でもでも、どうして、内輪にしかウケないその他カテゴリーを続けてるんですか? わたしもそうだけど、黛さんなんて誰も知らない――」
黛「ねぎみそロール焼き上がりました(どん!)」
ウ「ひっ!」
黛「どうぞ、ごゆっくりお過ごしください」
私「あ、ありがとう、ございます。ほら、あんまり余計なこと言わない」
ウ「すいませんっ」
私「でもさ、さっきの問いに答えると、作者はね、キャラクターに愛着があるわけよ」
ウ「そうなんですか?」
私「そうそう。なんか、キャラクターって空想ではないような気がしてるんだよね。それこそ、こうしてウリちゃんと喋ってるけど、考えながら書いてないよ。実際に、ウリちゃんが隣で喋ってるのを、俺(作者)が転記してるだけって感じだよ」
ウ「そりゃ、そうじゃないですか。だって、わたしはちゃんとモリモリフーズでバイトしてますよ! 昨日今日、生まれたわけじゃないし」
私「それ、徳梅さんも同じこと言ってたわ~。俺もそう思う。皆、ちゃんと生きてるよな」
ウ「当たり前じゃないですか。勤務さん疲れてるんじゃないですか?」
私「そうそう、そういう口調とか(苦笑)。まあ、だから皆に会いたくなっちゃったわけよ。それに――作者が愛着もわかないようなキャラは、絶対に読者も好きになってくれないよ」
徳梅さん「あなた、良いこと言うじゃない」
ウ「あっ! セイル先輩!」
私「毎回、ご登場ありがとうございます。徳梅さんもこのパン屋好きなんですか?」
徳「まあね。ここのねぎみそロール美味しいもんね。それにしても、珍しい組み合わせね。あなた、歴代ヒロインたちに愛着持つのはいいけど、まさか全員登場させるわけじゃないわよね」
私「うっ(鋭い)。実はどうしようかと悩んでいて……」
徳「はあ。今さら引けない感じなのね。それに、さっきは良いこと言ってるなって感心しちゃったけど、要はあなた――」
私「……(ごくり)」
徳「ただの、女好きでしょ」
私「キャラ愛を語った俺に、ひどい下げ方!」
徳「いいえ、わかるのよ。センスってやつが。あなた、女好きよね。ヒロインばっか登場させて、たまには男も出せばいいじゃない」
私「いやいや、男は需要ないんですよ」
徳「そんなことないわよ。読者は男だけじゃないからね。いいじゃない、あの変なラップでディスる彼なんか登場させたら」
私「もしかして『やっぱりあなたを踏んじゃうのっ!』ですか? 彼は名前が無いんですよ」
徳「そうなの? あんなに下らないラップするのに、名無しくんなの?」
私「そうなんです。男は大体、名無しなんですよ。それこそエンドの恋の棚森くんぐらいで……」
??「ちょっと、まった~!」
私&徳梅&ウリ&黛「……えっと、あなたは誰ですか?」
??「まじ! 作者も覚えてないの? 俺だよ、俺!」
私「……誰、ですか?」
??「
徳「……やっぱり、男は需要ないわね」
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