第2話
景山さん(わたし誘われてるんですか?のヒロインの一人。41歳)「いらっしゃい……。あら? 小林勤務さんじゃない。随分お久しぶりね」
私(小林勤務)「いやあ、お久しぶりです。こんな時間ですが、営業してますか?」
景「ええ、やってるわよ。それに……暇だし。営業時間なんて、あってないようなものよ。さあさあ、入って入って」
私「では、お言葉に甘えまして」
景「どうしたの? なんか疲れてるように見えるけど」
私「そう見えちゃいます? 最近、カクヨムコンにエントリーしたんですが、まあし烈でし烈で。仕事も忙しくなってきたし……」
景「あら、そうなの。こんな、その他カテゴリー作る暇があったら、気晴らしに山でも登ってきたらどう?」
私「そうですね……。でも、不思議と、その他カテゴリーが息抜きになっているというか、まあ、そんな感じです。ははは」
景「ちなみに、カクヨムコンって何なの? 聞いたこともないわね」
私「WEBの小説投稿サイトでやってるコンテストです。私も初めて投稿したんですが、2万ぐらいエントリーされるみたいで、もう埋もれました(苦笑)。まさか、こんな一気に投稿されるとは、って感じです」
景「ふーん。どれどれ。あっ、これね。『エンドの恋』でいいの? 適当にフォローしてあげたわよ」
私「ありがとうございます。……えっと、景山さんがフォローしたの、派生作品のその他カテゴリーです……」
景「あら。ちょっと操作が難しいわね。おばちゃんにはよく分からないわ。でも、こんなに作品があったら、目立たないと見向きもされないわね。文字だらけで何が何だか分からないわ」
私「ですよね。宝探しと同じです。でも、嬉しいこともありまして。こんな大量のエントリーの中で、赤いきつね緑のたぬきに投稿した派生作品を気に入って頂いて、本編もフォローして頂けまして」
景「よかったじゃない。こんな大量の小説の中から見つけてもらうのって奇跡みたいなもんよ」
私「毎回思うんですが、このWEB小説って、書く側は楽しく好き勝手に作るわけですよ。でも、読む側って、それぞれ忙しいじゃないですか。学生でも社会人でも主婦でも。それに――文字を読むって、モチベーションがいるはずなんですよね。映画やアニメと違って自分で手と目を動かす必要がある。しかも、素人の文章。だから、自分の小説を追っかけてくれる人のために読みやすく、面白く、書くのが大事だと、今回のカクヨムコンで改めて思っちゃいました」
景「いいんじゃない、それで。なかなか人の評価ばっか注視していると見失うもんよ」
私「足切りはする前提で、あとは読んで頂ける方にベストを尽くすだけですね」
景「そうそう。世の中、うまくいかないことの方が多いんだから。でもね、そこに価値があるかないかは別問題よ。例えば、こんな寂れた鉄板焼き屋だって、一定の常連客で成り立ってるからね」
私「〇〇県の○○商店街で、今も営業してるんですか?」
景「気になるなら、足運んでよ。いつでも空いてるし、勤務さんなら、お店開けるわよ。それに――二階に今も一人で住んでるからね」
私「は、はい(この色気……相変わらず)。しかし、うるさい子がいないと落ち着いていいですね。この前は、ラメンやら、ツバメやら――(ぐびっとビールを)」
ツバメ「あっ! こんなとこでサボってるし!」
私「ぶっ! ツバメちゃん!」
ツバメ「また、こんなその他カテゴリーで油売っちゃって。ちゃんと、長編の推敲してるの?」
私「してるしてる。もう最終話まで作ったんだから」
ツバメ「ほんとに~」
私「疑り深いな。てゆうか、子供はこの時間にこういう店はきちゃだめだぞ」
ツバメ「子供って……、わたし、人間の年齢とかないけど。鳥だし」
私「……確かに」
ツバメ「だから、ビールも飲めるけど。景山さん、わたしにもしゅわっと一杯!」
私「いやいや、せっかく大人な感じで話してるんだから、ツバメちゃんはもう帰りなさい。第一話で出番あげたでしょ。それに――、俺のことよりグランリージョナル秋川のキャッチコピーは決まったの?」
ツバメ「ううん。まだ」
私「えっ! まだ会議してるの!?」
ツバメ「だって、あれから虫たちも会議に加わったし。もう、収拾つかないよ」
私「……いつになったら売りだせんだ、あのマンション……」
ツバメ「だから、こうして勤務さんのところに来たわけよ。日本の会議って長すぎね。わたしも疲れちゃった」
徳梅さん「じゃー、皆で乾杯する?」
私&ツバメ「あっ! メインヒロインの登場」
徳「私も仕事の帰りよ。この店、ちょくちょく来てるんだけど、ちょっと覗いたらなんだか騒がしいし。しかも、第一話で終わったと思ったのに、第二話もあるし。あなた、これ続けるつもり? 完全に身内ネタじゃない」
私「いや、まあ、作者も続ける予定なかったんだけど、なんか妙に気に入ってしまって……」
景「そうそう。このカテゴリーいいわ~。私なんかの出番もくれて。いっとくけど、そんなに若くないからね」
私「いえいえ、私、歴代ヒロインの中で、景山さんかなり好きなんですよ。こうして、またお会いできて、作者も嬉しいです」
景「本当に? 相変わらず口が上手いわね。さっきも言ったけど、勤務さんはいつでも来ていいからね。深夜、でも」
徳「……コホン。そういう、イヤらしいのは二人でやってください」
私「ま、まあ、皆で飲みますか。ツバメちゃんは一応設定上、未成年だからジンジャーエールで乾杯ね」
ツバメ「まあ、仕方ないか。でも、何に乾杯するのよ。マンションのキャッチコピーもまだ決まってないよ」
徳「決まってるじゃない」
私&景山&ツバメ「と、いいますと?」
徳「エンドの恋、第三話でやっと私が登場する、お祝いよ!」
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