第25話「龍の力」


翌日、メルサとテンは目を覚ました


そして妖精王はご機嫌だった

メルサの裸でも覗いたのだろう

目は無いがあったら絶対にエロい目をしている


羨ましい限りだ


とまあそんなことは今は置いておいて

二人に事の経緯を説明した


瞬間移動で人間の国に行ける

それを聞いて安堵しているようであった


昨日の二人の話を聞いて

なんとなくこの世界の勢力図が分かってきた


悪魔と人間の戦い

それを止めたいこの国

その他の魔族は関わりを持とうとしないか

もしくは争ってることすら知らない


「のう、おっぱ…メルサにょ」

おい、このジジイメルサのことおっぱいって言ったぞ…


「は、はい…!」

メルサは少し緊張した面持ちだ

自分がおっぱいと呼ばれている事に気付いて無いのか


まあ、大森林の精霊族には関わるべからずが常識だもんな

最もその理由も危険と言うわけでは無かったが…


「メルサ、もう一回おっぱい見せてくれんかにょ…

ここ数百年娯楽がなくてにょ…」

メルサのビンタが変態ジジイ精霊に炸裂する

変態ジジイ精霊は壁に激突しその場に伏した


こいつはメルサをおっぱいと見ていたのか

てか、俺も今さらそんなにストレートに言えないぞ…


「にょう、おっぱい…」

とうとうこのジジイ…おっぱいと呼びだしやがった

「お主自身のこと足手まといと思っておるにょ」


!?

足手まとい?

そんなこと考えたことも無かった

でももしかしたらそうなのかもしれない

メルサは元々ゴブリン達の敵だった

戦闘要員では無かったが後ろめたさというのもあるのだろう

だからこそ役に立ちたいと思うのも自然だ


最も感知能力はずば抜けているし

なんといっても俺ら唯一の女性だ

居てくれるだけで華々しい

俺はやる気がでる


「おっぱい見せてくれたらお主のこと強く鍛えてやっても良いにょ」


なんとまあ…

このジジイはとんでもない外道だった

流石に俺ですらそんなこと言えない…気がする…


「!……」

「メルサも考えるな!

ジジイ!変なことしたらぺチャンと潰すぞ」

倒れたジジイを優しく手で包み込んであげた

そうここは俺がしっかりしなきゃいけない


「分かった分かった!

潰すなにょ!!」


「じゃあせめてこれを着るのにょ」

ジジイが出したのは胸の部分だけ円形に開かれたシャツ

俺はこの妖精を優しく包み込む

「ウソにょ ウソにょ! やめい!!」

メルサはじっと服を見つめている

「着るなぁ!」


「と、まあ、冗談はここまでにょ」

本当に冗談なのだろうか…


「お主らイルスに会ったにょ

戦ったかにょ」

俺らは頷いた


「やつは強いにょ

龍族は眠り自然と同化し

それらを魔力として使うにょ

だから強いにょ

まさしく災害だにょ」


確かに奴は長年眠っていたし

あの岩をも溶かす炎はまさに災害…


「眠っているおっぱ…お主を見ていたら同じ感じがしたにょ

薄くとも龍の血が入っておろにょ」


「自然と同化…

確かにメルサの感知は凄いもんね」


「妖狐よお主の力もしかるべき時に目覚めるにょ」


「そうなのか!

おいら強くなれるのか!

いつ強くなるんだ?」


「だからしかるべき時にょ

妖狐は力を無意識の心で制御し

おっぱいは使い方を知らないにょ」


「でも、おいらたちに強くなる修行している時間なんてないぞ」


「修行は必要ないにょ

生活を改めるのにょ


おっぱいよ

自然と同化に慣れるのには自己の魔力を消さなきゃならぬにょ

毎日寝る前に魔力を使いきるのだにょ

今回みたいに倒れるほどにょ」


「使いきるってどうやるのですか?」


「何でも良いにょ

お主ら旅人だろう?

水でも火でも体力が枯れるまで出すにょ」


「おいらたち其れが出来ないから行きだおれてたにょ」

テンよ語尾をにょにするな


「はぁ?

…揃いも揃ってバカだにょ…

簡単なの教えるから使うにょ

水も火も無しに旅をするなんてバカにも程があるにょ」


メルサとテンは直ぐに魔法を使えるようになった

あっさりと…

俺には出来なかった


これとぞばかりに変態ジジイにバカと連呼された



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