10-8
少し前まで、4人がかりで何とか倒していたザコモンスターを、みらいが一人で蹴散らしていた。
それを見て龍好が言う。
「なんか、帰りは楽ちんだな」
「そうね、まさかここまで火力が上がるとは思ってもみなかったわ」
みらいは、回復薬を、がぶ飲みしては、魔法をストックし。
相手のヒットポイントが一発で消し飛ぶ程度の火力で瞬殺し続けていた。
行く時も、全く出番なしだったピー助は、刹風と一緒に遊んでいる。
威力を抑えた雷翔を連発し、トランポリンみたいにしているのを見て一緒に跳びたいとねだってきたからだ。
刹風が飛び跳ねる度にピー助は、鼻息を荒くして尻尾をグルグル。
周りにいるモンスターは、ザコとはいえ高レベル。
にもかかわらず、完全にピクニック気分だった。
「にしても、武器が違うだけでこうも変わるってのもスゲーもんだよなぁ」
「たっくん羨ましいん?」
「正直に言うと、そうなのかもなぁ……」
栞は、元々規格外だったが、それに刹風とみらいも加わってしまった感がいなめない。
龍好は、自分だけが置いて行かれたようで、少し寂しかったのだ。
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