4-15
真剣狩る☆しおん♪と友好関係を結んだあと――
音姫は、昔の事を思い出していた。
街中では、怪我をさせる事はできなくとも、痛い思いをさせる事は出来る。
ヤジが飛んでこようが槍が飛んでこようが全てにリアクションをとっていたリーダー。
『笑う角には、フグ来る』
なんて言っていたが――結局それは、運営が動くまで続いてた。
それでもリーダーは、
『これは勇者になるプロローグなんだよ!』
と言って笑い飛ばしていた。
『あのなぁ、始めから勇者になれるのはゲームだけなんだよ! 今は、生涯最高のビッグウエーブが到来しているんだぜ! そのための苦難なんだよこれは! んな、美味しい状況が楽しくない訳ねぇーだろーが!! なに、ばかげたこと言ってんだよ!?』
「私は、しんちゃんも負けないと思ってるよ!」
「ふっ……ありがとうな、姫りん」
事実として彼が居たからこそ今がある。
傭兵業を始めても。
護衛業を始めても。
良かったのは最初だけだった。
すぐに噂が広まって全てキャンセル。
なにをやってもどこに行っても銀十字騎士団お断りの張り紙や、のぼりがでてた時期もあった。
それでもめげずに根気よくやって来たから今がある。
その中心となって誹謗中傷の的になっても、決して笑みを忘れない強さに心惹かれてしまっていた。
知り合った当初は子供に興味を持つなんて思いもしなかった。
でも彼が自分に好意を持っていてくれた事が今は嬉しくてたまらない。
ならば負けじと宣言すべきだろう!
「じゃあ、せっかくだし! これから、しんちゃんと私の結婚式を開催しよー♪」
「その提案、喜んで乗らせてもらうぜ!」
「ちょっ! ホントに結婚式するつもりですか!?」
「んも~♪ ダメだよみらりん! 時には、その場の勢いとかの方が大事な時があるんだから♪」
「はぁ……分かりました。お付き合いさせて頂きます」
こうして、本当に二人が結婚するさまを見せつけられた、みらいだった。
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