3-26
みらいの、魔法改良は3日目に突入していた。
ゆえに、相応の長い計算式を求められる。
材質から始まって、エンジンの仕組みを全て数値化して起動させる。
それはまるで、ゲームのプログラムを1から作っているようなものだった。
まぁ、ゲームの中の話なのだが……
栞は、みらいに言われた通り、勉強を頑張っていて。
刹風は、洋服の支払い分もあるから――と言う理由でアルバイトに行っている。
栞から聞いた話によると、さっそく戦力として役立っているそうだ。
基本的に、物覚えは良い方なのだから、勉強にももっと力を入れてほしいと思うみらいだった。
*
――今日の残り時間で何をするか?
それを3人で話し合った際。
「帰りは、これで帰ってこれるんだから時間的には、余裕なんじゃないの?」
刹風が、お気楽な言葉にと共に見せてきた、丸い魔石を見て――
みらいは深いため息をこぼしながら説明を始めた。
「使ってもいいけど、私が居ない時にしてちょうだい。この回帰石は別名死の瞬間移動石と呼ばれていてね。物理的にA地点からB地点までを0.1秒で移動するアイテムなの。1メートル位ならさほど問題ないみたいなんだけど。100メートル1000メートル10000メートルと距離が伸びれば伸びるほど肉体が受けるダメージは大きくなるわ。内臓は潰れ、肉と皮は千切れ飛び。
「はやや~」
「はぁ、なにそれ」
「まぁ、あなた達は肉体強化型だし、案外耐えれるかもしれないけど。この発育不良の身体では即死レベルのダメージを受けても仕方ないわね。それに使った人の体験談では死ぬより辛いそうよ……」
「げ……」
「そんなら、これは禁じネタといて封印するよ~」
「そうしてもらえると私としては嬉しいわね」
「何度も使えるし。しかも、なくならない便利なアイテムがあるって分かった時は、ラッキーって思ったのに……そんな落ちがあったのね」
「運営が何を意図して全員に配っているのか不明だけど、危険なアイテムもあるって事だけは、知っておいてちょうだい」
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