リトライIN
3-1
夜――
みらい邸の寝室にて。
笑う門には、福来る。
それを伝えようと、メイド長が、みらいに対し言葉を並べていた。
「お嬢様! 例えどの様な状況であれ。楽しめない者には、勝ちはないのです! なにか思うところがおありなのは、この
小春が、みらいの頬を両手で挟みぐりぐりする。
唇がとんがって変な顔になっていた。
「笑うことは強さであり! 強き心なき者にも勝利は! 勝利は、ないのです! 負けたくなくば! 何かなしたいと思うのであれば! 楽しんでいらして下さい! 皆と遊び! 皆と楽しみ! 皆と笑って勝ち取ってこその勝利! それが出来るように育ててきたつもりでございます! ですからどうか笑ってお出かけ下さいませ! 例え、どの様な事態におちいろうとも! この小春。以下、メイド部隊が全力でサポートさせて頂くことを心にお誓い申し上げます!」
できることなら、みらいだって純粋に楽しんでみたいと思う。
でも、それは、すでに許されない状況下に追い込まれている。
おそらくは、それを分かっての物言いなのだろうが……
作った笑みで、この小春をあざむくことは難しい。
それでも、例え形ばかりでも笑みを浮かべる。
「わかったから、それは止めて……」
「では、お嬢様、ご武運を!」
なぜか敬礼している小春に、
「では、行ってきます」
と言って、リトライの開始をエッグに伝えるみらいだった。
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