ロト777で777777777!⑤




「その・・・」


絵梨花は何かを言いたそうにしていた。


「・・・何?」


―――もしかして、このままよりを戻そうとか?

―――そういう告白!?


緊張しながら待っていると絵梨花はまさに望んでいた通りの言葉を言った。


「あの時は突き放したりしてごめんね。 私は今でも勝利くんのことが大好きなの」


―――まさか・・・ッ!?


「だから私とよりを戻してほしい」

「・・・ッ!」


―――来た来た来たぁぁぁッ!!


「駄目、かな・・・?」

「駄目じゃない! もちろんいいさ!!」

「本当? 嬉しい!」


―――あれ、でもどうして突然よりを戻そうって言ってきたんだろう?

―――俺が金をたくさん持っていると分かったからか?

―――絵梨花はそういう金目当てとかで男を選ぶ奴じゃないんだけど。

―――・・・まぁでも、それでもいい。

―――また絵梨花と付き合うことができるなら。


絵梨花には宝くじが当たったことは言っていない。 ただ今日だけで買い与えたプレゼントは既に20万円を超えている。

今までの勝利からしてみれば有り得ないことで、自分のためにそれだけしてくれるということに心動かされたのかもしれない。 


「昼食はまだ? どこかへ食べに行こうか」


時刻を確認すると、絵梨花とデートしていたせいか2時を過ぎていて昼食時ではなくなっていた。


「あ、そうだ! 折角金はたくさんあるんだからもっと派手に使おうか」

「派手に?」

「1000万円を渡したら今すぐ高級レストランでも貸し切りOKにしてくれるだろ。 時間帯も時間帯だし」

「貸し切りになんてする必要ないよ! それに1000万円を渡すってどういうこと?」

「ん? あー、ちょっとな・・・」

「もしかして私に買ってくれたもののお金の出所って、何か怪しいものなんじゃ・・・」

「ないないない!! それはない! 日本国憲法に誓って、怪しくなんかないから!!」

「ふぅん・・・」


―――ちょっと調子に乗り過ぎたか。

―――人の多いところではあまり目立ちたくない。

―――宝くじが当たって人生狂った話なんてよくあるっていうのに。


はぐらかしながら早速近くにある高級レストランを調べ向かった。 ドレスコードのないレベルのお店ではあるが、学生が昼食に使うには少々値が張る。

やはり運が味方についているのかお客さんは入っておらず、貸し切りにしていないのに既に貸し切りのような状態だった。


―――やっぱり俺ってラッキーマンじゃね?

―――もう不運なことなんて起きない気がする!!


そう思いながら窓際の席に座りメニューを開いた。


―――うわぁ、全く読めねぇ・・・。


ただメニューは全て日本語ではない言葉で書かれていて何が何だか分からなかった。


―――こうなったら奥の手か・・・ッ!


「こんなにたくさん食べちゃってもいいの?」

「もちろん。 たくさん食べな」


注文したのはメニューに載っている全ての料理だ。 これだけたくさん注文すれば流石に食べたいものが見つかるだろうと思ってそうした。


「でもこんなにたくさん食べ切れないよ?」


贅沢なお金の使い方に絵梨花は心配そうにしていたが、美味しいものを食べられて幸せそうだった。


―――そう、俺はこの絵梨花の笑顔が見たかったんだよ。


会計がまたもや20万円を超えているが、今日に限れば財布の紐を緩めてもいいと思っていた。


「勝利くんはどうしてそんなにお金をたくさん持ってるの?」

「さっき当たったんだよ。 宝くじ」

「えぇ!? 宝くじ?」

「あぁ、スクラッチだけどな。 でもロト777のだから一等で5000万」

「凄い! 宝くじって本当に当たるんだね!!」

「俺も驚いたよ」

「でもこのままたくさん使っていたらすぐに尽きちゃうんじゃない?」


そう言われ考えると確かにその通りだ。 今まで使ったので150万円近い。 このペースで使い続ければ一ヶ月でほとんどがなくなってしまう。


―――流石にそんなペースでは使わないけど、絵梨花に言われて失敗したような気になってきた。

―――でも絵梨花と復縁できたとするならその価値は5000万円より嬉しいよ。

―――まぁでも二人の今後のこととかを考えると、金が尽きない方法を考えないといけないな。


「・・・そうだ。 今持っている金で宝くじを更に買い足すっていうのはどうだ?」



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