悪魔がないている

男の目から涙が出ていた。男は感情を抑えることが自分では出来ない。男は感情的にすぐに走ってしまう。アルバイト先で問題を数えきれないほど起こしている。だが、男は警察沙汰にならない。男の父親は大企業の跡取りだからだ。

「誰か助けてくれ?」

男は悲痛の叫びを上げていた。男がいくら叫んでも誰も来ない。父親には男は怒りしかなかった。

「何で俺が生まれたのか?全部アイツのせいだ」

男は父親を恨んでいた。醜い顔に生まれたことを逆恨みしているのだ。男にとってこの世に生まれたことが苦痛だった。男は親を心底から恨んでいた。男は実の親から虐待を受けていた。親は酒癖が悪いだけではない。常に男にあたっていた。何かにつけて男の親は身体的虐待と心理的虐待を男に浴びせていた。

「母さん。何で俺が生まれたのか。知りたいよ。何であんな奴と結婚したんだよ」

男は嗚咽を漏らしていた。その後に男ある行動をした。それが赤いハイヒールを履いている女を殺害する行為だった。男は人を簡単に殺害することを屁とも思わない人間だ。男はさらに女を物色しにいった。赤いハイヒールにこだわるのは男を捨てた母親への愛情だった。男はまだ小さい頃に母親は赤いハイヒールを履いて出て行った。母親は美人だった。男はただ、被害者に甘えたいだけだった。当時、男は猫を飼っていた。猫は男を裏切らなかった。猫は男に懐いていた。父親は男がいない時に猫を殺害した。猫は、首を絞められ眼球が両方とも出ていた。男はその眼球を泣きながら食べた。眼球は食べ終えた男は満足したように笑みを浮かべた。これだけじゃ物足りない。男の中に衝動が現れた。男は弱者に対する支配という欲求に駆られてしまった。むしゃくしゃしている時に弱者救済と言う名目で近づいて行こうとその時考えがふと湧いた。男の中に弱者を救済のふりをして興味を抱かせようと男は言葉巧みにそれから物色をすることを覚えた。

「弱者救済をしようとしている女なんて対した人物はいない。所詮偽善者だ」

男は女に対して悪だと考えると言う思考を持っている。

「女は男を騙す。女は金を毟り取る。そんな女を狩る。俺は正義の味方だ!俺は悪いことをしていない。俺は害虫駆除をしているんだ」

男は悪くない、そう自分にいい聞かせた。男は女と言う生き者はそう言う者だと考えていた。男に対して嫉妬すると言う感情はない。ただ、いい女がいないか物色していた。

男は満足したような気配がなかった。男はしばらく周辺を歩いていた。男は女を見るたびにに涎を垂らしていた。男は常に自分の欲求を抑えることができなかった。自分が生まれたのは何かの間違いだと考えていたからだ。男は父親を心の底から憎んだ。その憎しみこそが男の生きる糧だった。男は父親から身体的な虐待を受けて育った。母親は男にはいなかった。男を産んだあと失踪したと近所の住民から聞いた。女には男はモテていた。女で困ったことなどない。女にはだいぶ世話になっていた。女には何の恨みがなかった。ある日を境に女に対して強い憎しみを抱くようになっていった。

「女は悪い生き物だ。この世から抹殺してやる」

男から笑顔が消えた。そして男は怒り狂った。涙が出て来なくなった男は女性たちを探すしかないと考えていた。

「どこかにいるはずだ。探せ」

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