第35話 元の姿に戻って
シャルに3か月前に、黒猫になる魔法がようやく解けた。酷い目にあった。自業自得なんだけど。
聞かれてないと思って、いろんなこと言ってたな。
妻たちに愛されている自分の幸せを実感したし、もういつ死んでも、いいんじゃないかなって、思ったりもした。まだ子どもが小さいから、死なないよ。
ただ、言ってみただけ。若くて綺麗な妻たち、5人を未亡人になってさせないよ。ぜったい嫌だ。
ただこの世界の脅威は、相変わらず、なにもかわってない。滅びかけてしまった世界。
幸せがいつ奪われるか、わからない。まもるためには、魔物、魔族と戦うしか、ブッ飛ばすしか、人間が平和に生きることはできない。
ちょっとずつ、魔物を退治して、強くなってはいる。でも、全然間に合わない。魔物の勢力が強大すぎる。
人口が拡大してるので、村が町に、もうじき、そんな感じの規模になりそうだ。
魔族に奪われた領地を取り返す。人類の復権を目指す。そんなことを、考えたりもするけど、そんなの、やっぱり自分には荷が重い。自分がやらなきゃいけないんだろうか。そんな矢面にたつの、そんなキャラじゃなかったのに。やはり、心境の変化ってのがあったんだろう、この世界で、ありえない経験を積んでしまったし。罪悪感に苛まれることは、ずっとだ。忘れてしまうことはない。
なんか町の外が慌ただしい。叫び声が聞こえる。
何が起きたのか、自警団の者に聞いた。
どうやら、魔物の大量発生、いわゆるスタンビートが、起きたらしい。
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