第5話 悪の謀略と戦士の決意
ハイレグの変態男『午前の死』は話し始める。
「我々は反省したのだよ『光の戦士』との戦い方を。毎度計画終盤に『光の戦士』に妨害されて
頭のなかで整理する。この変態男とピンクの獣が言う『光の戦士』ってやつはそもそも存在する。俺は『光の戦士』で、目の前の変態はその敵だ。『光の戦士』は交代制でやられたら新しい戦士がでてくる。それを止めるために俺を屈服させて死なないよう軟禁する。そうすれば、新たな戦士は手中で
「答えろ……。なぜ俺の秘密まで知っている。」
「簡単さ。光の戦士の候補者を絞るために調べ上げたのさ。僕ちゃんが小さいときから、僕ちゃんの親御さんやお友達と仲良くなってねぇ。」
歩く迷惑条例違反に話すわけないだろう。俺の調査の前に警察の事情聴取からだろ。
「訝しんでるねぇ僕ちゃん。我はいつもこの格好をしているわけじゃないさ。この格好をしないと色々と都合が悪いだけで。なぁに、僕ちゃんの小学校からの『親友の親』と言えば皆よく話してくれたよ。」
親友。まさか。
「おや?うちによく遊びに来てたじゃあないか。覚えていないのかね。あの子の『親がいないから遅くまで遊べるよ、こうけんにんの人は遅いから』って殺し文句。そう言われた君は『しょうがねえなあ!』って言って1時間くらい残った。我はそれを盗聴していたのだがね。まあ暫く疎遠だったからな。やむ仕方なし。」
そんなわけないだろう。
「おい、俺の親友って。」
「ああ、ミオだよ。覚えているようだね。我はその未成年後見人さ。」
『午前の死』はそう言い放つ。ずっと聞きたかった言葉を、絶対に聞きたくないタイミングで。
ミオ。小学校卒業の時に離れた、ずっと一緒に遊んでいた子。二人で楽しんで、二人で遠くに足を向け、二人で怒られて、片方が片方を勇気づけて、かばいあって。ガキの頃の泣き笑いの大半を分かち合ったあいつ。それが、全部このためだったと?小さい頃の唯一心を許した相手が自分を追い詰めた張本人だと?
群青の鬱と言葉の棘に屈服したはずの精神が、体の中を燃やし始める。この熱は、思い出した親友に対する憧憬か、『午前の死』に与えられた苦しみを返したい怒りか、それとも。
「まああんな貧乏人、もう用済みだがね。キミと一緒にゲロまみれにしてやろう。それよりも日本中の人をゲロまみれにするほうが先かな?」
あいつに、あいつにだけは苦しい思いはさせないという、決意か。
「おい何とかミア。こいつがお前の言っていた倒す相手か。」
「そうだが、オマエ、大丈夫なのか?!」
「教えろ。こんな俺にもできるんだろ。アイツをぶちのめす『変身』をよ。」
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