第47話 病院

 行った事もない病院に私はいた。


 そこで入院しているらしく、ベッドを行ったり来たり。


 そうだ、新しい処方箋の薬をもらわなければ。


 そこで廊下にいた看護婦さんをつかまえて訴えたが、ベッドに座らされた。


 病室を見回すと、古びた病院である事が判る。


 こんな所、来た事はないぞ。


 それより、薬をもらって、家に帰ろう。


 帰らなければ。


 そう思っている内に、自分がかかりつけの病院から、処方箋薬をもらったのが先週の事だと気が付いた。


 が、薬をもらわなければ、帰られない。


 どうしよう。


 もう一度、薬をもらわなければ。


 薬は、もう、もらったじゃないか。


 もう一人の私が言う。


 夢を見ているんだろうか。


 そこで、意識が切れて、寝た。


 真っ黒な闇に落ちたような感じだった。


 目が覚めると、自室で寝ていただけだった。


 茫然としながら、台所へ行き、水を飲んだ。


 喉に水が通ると、起きている事をようやく実感した。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る