第46話 春眠の続き。

 昼間、転寝をした。


 何故か、自分は何処かの病院にいて、母親を見舞っていた。


 あれこれ、わがままを言っているが、声がない。


 声がないのに、わがままだと判るのは、わがまましか言わない人だったからだ。


 とりあえず、一通り用意をして、枕元にそろえた。


 何をそろえたのかは、判らない。


 そろえたのは、確かだ。


 やがて、母親が一昨年、逝ったのを思い出して、これが夢だと理解できた。


 理解できたが、目が覚めるまで、時間がかかった。


 目が覚めて、見回すと、自分の部屋だった。


 自分はまだ、生きている。


 やおら、立ち上がって、トイレで小便をした。


 濃いアンモニアの香りで目が冴えた。

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