第45話 夜明け

 明け方近く、寝付けなくて、悶々としていたが、トースト2枚と砂糖入りのコーヒーを食べて飲んだら、急激に血糖値上がり、下がってそのまま寝てしまった。



 血糖値スパイクである。


 血管にあまりよろしくないものらしく、病院の壁のポスターに血糖値スパイクに注意と書いてあるので、ヤバいなぁと思いつつ、ウトウトして、意識が切れた。


 意識が切れる時のそれは体中の血糖値が下がるので、一種の酩酊感がある。


 次に目覚めると、昼も大分過ぎた午後二時前であった。


 昼ごはんを食べるべきかと思ったが、血糖値が下がっているものの、お腹が空いていない。


 昼の処方箋の内服薬を飲むだけにした。


 虚ろな頭で考えて、生きているというのは、こういう事なんだなと思った。


 自分を自覚して何かを行動するというが、生きているという事であって、生きているのと言うのは、この意識がある「今」だけなのだ。


 と、惚けた頭で自覚して、早い夕飯の支度を始めた。


 冷凍の南瓜を煮付けて、鯖の水煮缶を沸騰した湯の中に入れて、生姜、味噌を加えた。


 それに冷凍のマグロのすり身を御飯を持った丼に乗せて醤油をかけた。


 夕飯を食った後、血糖値スパイクが来たが、起きている内に、これを書いた。


 洗い物を済ませたら寝てしまうかも知れない。


 生きているのは、意識している「今」だけ。


 それを自覚した。

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