第18話 一本橋

 一本橋の夢を見た。


 自分の住んでいた地域は中州にあり、市街に出るにはバスに乗らなければいけないが、何度か歩いて駅前を通り市街に出会た事があった。


 大きな川を一本橋が渡っていて、そこを通るのだが、電灯はほの暗く向こう岸まで行くのに約10分。


 何故、あんな事をしたのだろう。


 歩いている内にアドレナリンが上がり、どんどん歩いて行った。


 そして、繁華街の古本屋に行き、古本を買って、家に帰った。


 夢の中では一本橋の向こうは見知らぬ沼のあるような森だった。


 そこを抜けると、駅の裏でバスに乗って、山の旅館へ行った。


 山の旅館を出て帰ると又、バスに乗り、旅館へ行って、又バスに乗って。


 その繰り返しを目覚めるまで、していたが、夢だと気づくまで時間がかかった。


 気づくのが嫌だったのだ。


 目覚めるのが嫌だったが、夢だと判ると景色が消えた。


 目の前に朝の光景があった。


 心が虚ろだった。

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