創造主デビュー!
しばらくすると村の中から人が出てきました。
「おぉ!創造主様。私はこの開拓地の村長をしているゴアです。どうぞこちらへ。村を案内しましょう」
「ありがとうございます。どうして私が創造主だと?」
ちなみにゲームで主人公は創造主と呼ばれます。
「一目見ればわかります。なんと言うのでしょうか…何故か元々知っていたかのように頭が理解したような感じで…少し説明は難しいですね」
なるほど。私の国の国民は私の事がわかるんですね。便利なものですね。
ていうかニポン文明の種族が人類で良かったです。
このゲームにはいろんな種族がいるんですけど、これが魔族とかだったら精神的にきつかったですよ……想像しただけで吐きそう……。
とりあえずついていきましょう。
歩いているとそこら辺にいた人が頭を下げてきます。
ほとんどの人はは畑作業をしているようです。
「この村は麦を作っており、パンが主食です。普段の村民のご飯はパンに野菜と小さな肉の切れ端の入ったスープですね」
「肉は村の狩人がうさぎや猪などを狩ってきてそれを使っています。他にも村の広場で飼われている鶏などもたまに使われますね」
そのまま真っ直ぐ歩くと少し大きな家が見えてきました。
家の前にはたくさんの木材が置かれています。
「創造主様。こちらが私達の村唯一の鍛治師です。彼は村の雑貨のほとんどを作ってくれています」
「へぇ…雑貨って何を作っているんですか?」
「それはもうお皿から剣や弓まで全部です。鍛治の腕はは世界一ですよ」
「すごいですね!?というか剣や弓って何に使うんですか?戦争とかあるんですか?」
「専ら狩りに使ったり魔物討伐に使います。といってもこの近くにほとんど魔物はいないので大体は狩りですな」
「他にも20人くらい木こりがいます。その他の者は農業ですね」
「この村はこんなところです」
「それではこれから王座のある家に案内します。それをそのまま創造主様の家として使ってください」
「家もあるんですか!?ありがとうございます!」
王座は…あれでしょうか?
目の前の石造りの家の中に赤い布がかかった木製の椅子があります。
おや?思ったよりも座り心地がいいですね。
とりあえずこれがゲームの世界ならメニューから人口とか資源量とかいろいろ見れるはずです。
早速ですが落ち着いて確認に移りましょう。
「すみません村長さん。少し1人にしてください」
「わかりました。では私は隣の家におりますので…」
とりあえずまずは人口と資源量の確認をしていきましょう。
「メニュー」
メニュー画面の上に左側から今の西暦、人口、食糧、マナ、国民幸福度などなどがいくつも並んでいます。
とりあえず他のは置いといて左4つだけ確認しましょう。
確認した結果、メニューによると今は紀元前222年年4月1日15時23分。大体古代ギリシャと呼ばれる時代のようです。
異世界でもゲームと同じで地球基準の西暦が使われてるんですね。便利ですねー。
人口は1000人。結構大きな村です。食糧は果物とか牛肉とかいろいろ分かれているが合わせて15日分でした。
これはゲームの開拓地の初期人口と初期資源量と同じですね。
そしてマナ。これは200でした。
このマナというものはすごく重要で、国民を含めてどんな物でも生み出せるし、建物を一瞬で建設したり軍の訓練を一瞬で終わらす事ができたりする代物です。
某青狸もびっくりでしょう。
その分効率はすごく低いが、緊急時に役立つから便利です。
このマナというのは国民の数と国民幸福度で生産量が増えていくので程々に幸せにさせてあげないといけないんですね…。難しそうです。
これもゲームの初期のマナの量と同じだから他のも多分ゲームと同じでしょうね。
開拓地の村もゲームのビジュアルと同じだし、この世界のシステムはゲームと同じなんでしょうね。
いやぁ一安心です。
このゲームは反乱とか内戦とかもありますけど、両方とも物資の要求とか政権の交代とかで、プレイヤーの命が奪われてゲームオーバーとかないんですよね。
もしこれが現実と一緒で反乱でギロチンとかあったら…。これ以上は考えないようにしましょう…。
しかしさっき食糧の欄に見たこともない項目がびっしりあったから全く同じってわけでもなさそうですね。検索機能が無ければ今頃そっとメニューを閉じていたでしょう。
こうして私の率いるニポン文明がこの世界に誕生しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます