食糧政策

確認も終わったので、私はこれからの簡単な方針を決めることにしました。

ま、最初は食糧の生産ですね。

これは人口の増加にも関わってくる重要なものです。

流石に農業は一か月じゃ終わらないからしばらくは狩り中心とします。

確かとなりの家に村長さんがいるんでしたね。


「村長さん。まずは食糧が重要です。現在この村には一か月分しかないですよね?

でも農業は来年までかかるので今は麦を植えて狩りをしてください。

それにもうすぐ冬が来るので食糧も蓄えておかなければいけません。と言っても多少はマナで生み出せるので来年の農業の方を重視してください」


「わかりました創造主様。今すぐ狩りをして食糧を蓄えるように村の者に指示しておきます。それから麦は1週間前に植えてあります。ご安心ください」

へー麦は植えてあるんですか。これはある程度は指示しなくても自分たちでやってくれるんですね。

ていうか、え…?1週間前?今できたんじゃないんですか?


「よろしくお願いします。ところで1週間前と言ってたんだけどこの村はいつからあるんですか?」

「この村は60年前の食糧不足で追い出された者たちが集まってできた村でございます。そしてちょうど3日前に神からのお告げがあり、3日後に村が転移するので外に出るな。そして創造主に伝えよ。世界各地に導く者が現れる。覚悟せよ。と」


なるほど。この村の人達にとってはそんな感覚なんですね。神というのはゲームシステムのことでしょうか?気になりますがとりあえず後にしておきましょう。

「わかりました。それではお願いしたことをみんなに伝えてきてください」

「わかりました」


食糧はこんな感じでしょう。

この辺はゲームのテンプレです。

忠誠心が溢れてきたとか言っているし、国民が襲ってくるとかはないでしょうね。ゲーム通りで間違いないようです。安心安心。


それより伝説では世界各地に導く者が現れると言っていた事が気になります。

他の文明が存在しているという事でしょうね。

このゲームやたら文明が多いんですよねー。

特に種族が魔族の文明とかはそれ以外の種族と仲悪くなりやすいし、めっちゃ強いんですよね。できたら近くにいないで欲しいのですが…。


他の文明があるとしたら周りを調べないといけないでしょう。ゲームのユニットに斥候があったのでそれを使うことにしました。

訓練時間は一か月かかるが、今回はマナで期間を短縮しましょう。


最初は食糧を作ったりしなきゃいけないから節約したいけど仕方ないですね…。まぁ消費するマナは10くらいなので問題はないでしょう。ああマナが天から降ってきたりしないでしょうか?神様いるんでしょう?

斥候は…3人1チームで9人くらい作っていきましょう。


「村民に食糧の確保を命じてきました」

「あっ、ちょうどよかったです。次は9人斥候を訓練してください。斥候にする人が決まったら呼んでください。最初は忙しいですがお願いします」

「わかりました。創造主様の為なら疲労など感じません」

(あれは命令したら死ぬまで働きそう…私が気をつけなきゃいけないですね…。)


しばらくしたら村長が呼びにきました。斥候の人選が終わったらしいです。

「みなさん。斥候は危険な仕事ですが大事な仕事です。必ず5人1チームで行く事。後でリーダーを決めておいてください。仕事の内容は周囲の探索。特に他の国の存在ですね。それではこの村を守るために気をつけて仕事をしてください」

「わかりました!創造主様!」


食糧は3日分持たせたし、これで大丈夫でしょう。

そういえばゲームにあったマップってどうやって見るのでしょうか?あっ!頭で念じればマップが見れます!

もしかしたらメニューも…ありました!こんな便利な機能があったなんて…今まで独り言言ってる人みたいで恥ずかしかったんですよね…。


脳内マップには村の地図が写っていました。そして今斥候達が進むたびにマップが埋まっていきます。他の所を見てもマップは真っ黒だし、ユニットの斥候が見た所じゃないと埋まらないようです。

とりあえずご飯でも食べて待っておきましょう。

今まで一回もご飯食べてないからもうお腹が空きました…。


時間が余ったので私はこれを期にアバターに移ることにしました。

アバターというのは簡単に言うと気軽に死ねる体になれます。頭おかしくなったわけじゃ無いですよ?

本体の代わりに入れ替われる体で、これで死んでも復活できるんです。

その分本体よりも弱いですが、強化をすれば十分でしょう。


そういえばこの世界では本物の体はどうなるのでしょうか?

メニューからアバター機能を使ってみます。

水に写った顔を見ると全く違う体になっていました。銀髪で長い髪、青い目になっていました。

うん。なかなか可愛いじゃないですか。良いですね気に入りました。


後ろを見ると自分の体は消え、アバターから元の体に戻ると今度はアバターが消えています。

自分の体が消えるのは安心ですね。アバターでどこかに行ってる間にグサッ…なんて冗談じゃありません。確か国民はアバターにまで反応しないはずです。とりあえず村長にだけこの事を教えておきましょうか。


「村長さん。今から仮の姿で活動します。この事は誰にも言ってはなりません。良いですね?」

「そんな事まで…はっわかりました!」

「後は問題があったら起こしてください。私は少し眠ります」

「わかりました。おやすみなさい」


翌日。

外では既に太陽が空高く昇っており、時間を見ると11時でした。


結局昼まで寝てしまったようですね。まぁ重役出勤という事で。しばらくは暇だからいくつかの機能を試してみましょう。

1人は寂しいので、代わりに仕事をしてくれて、相棒ともなる人を登録できる秘書官機能とかも使いたいのですが…今は適切な人がいないですね。しばらくは1人で頑張るしか無いですね。


そうだ!魔術が使える人を訓練しましょう。確か人類は魔法と科学の組み合わせが得意な種族だったはずです。科学はレベルが知れてますが…上級魔術の適正がある人は1人くらいいるでしょう。

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