『火星短信』 6
『火星短信』 2400-102.004 より
『コラム』
『ウィルスや、火星ごきや、ネズミに振り回されているが、本来の目的のほうが、進んでいないわけはない。
『第9惑星』は、2014年に、存在が提唱され、2016年には、間接的ながら存在する証拠が提唱された。
わりに、早く、(存在するならば)みつかるかもしれないともいわれたが、簡単ではなかった。
非常に太陽から遠いので、光を反射せず、観測が難しいというのは、素人にも理解できそうだ。
しかし、これは、小さなブラックホールかもしれないという説が、2019年には出されていた。
そうなると、普通には見えないことになる。
ところが、同じ年には、史上初めて、ブラックホールの撮影に成功したのだ。
これは、乙女座M87の中心にある、超巨大ブラックホールであった。
しかし、第9惑星は、はるかに小さく、ガス惑星であれ、原始ブラックホールであれ、なかなか、その正体を明かさなかったのだ。
その位置が、ついに特定されたのだ。
400年かかった。
現在のところ、まず、原始ブラックホールであることは、間違いないとされるが、実際に観測するとなると、そう、簡単ではない。
このたび、満を持して、観測船、『未来』が、発進する。
乗組員は、10名である。
生きて帰れるかどうか、分からない。
人類は、戦争や疫病、地球の破滅的災害などで、約200年以上、宇宙開発が停滞していた。
ようやく、火星開発にまで漕ぎ着けたのだ。
夢の宇宙船は、火星の周回軌道上で、ほぼ完成している。
出発は、来春である。
『地球政府極秘情報』
火星で発生している、宇宙コロナが、厳しい規制をすり抜け、地球にすでに逆輸入された可能性がある。
太平洋の地球新政府宇宙港で、再確認検査された中から、宇宙コロナウィルスが、検出された。
該当者は、すでに、発見され、接触者の確保も進んではいるが、いまだ、隔離できていない人が5人存在している。
地球政府は、最高水準の防疫体制を発効する準備を完了し、あさってには、公表に踏み切る。各セクションの準備を万全に行うように。
まだ、脅威の実態は、はっきりしない。
扱いには、厳重注意。
当局が提供する情報以外は、一切出さないこと。
想定問答集を熟知すること。
・・・・・・・・・
💬
注) 第9惑星については、発見など、新しい情報があれば、すぐに削除します。
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