『火星短信』 2
『火星短信』 2400-102.002
『火星居留地組合からの情報によれば、火星第111居留ドームで、悪性のウィルス性感染症が発生しているという。
これは、2020年代に、地球で大流行した、ウィルスが、休眠状態で、なんらかの物資に紛れ込み、火星に入り込んで、活性化したのではないかという未確認情報がある。
ただし、まだ、詳しい正体は解っておらず、同居留ドームは、他の居留地に感染が拡がらないように、閉鎖されているという。
しかし、ドームの管理者である、地球の超超大国Cは、そうした事実はないとしており、超超大国Aと、超超大国Bのスポークスマンも、情報がないとしており、事実関係などは、いまのところ、分からない。
ただ、わが社の独自調査によれば、となりの第112居留ドームの売店の名物販売員の、Tさんによると、閉鎖されているのは、事実で、通常とは異なる宇宙服を着用した異様な人々が入るのを見たとし、緊張した雰囲気が漂い、非常に心配だと答えている。また、小大国Dにある調査会社の担当者は、意図的に、ウィルスが持ち込まれた可能性がありうるとしている。』
『ゴウツウ地球キャンペーンについて。
地球内で、最新型宇宙インフルエンザが流行する兆しがあるため、一時的に、受付と、実施を中止しております。詳しくは、次回お伝えします。』
『月居留地政府内機密文書』
『地球における、最新型宇宙インフルエンザは、非常に悪性の可能性があるため、緊急の場合以外の渡航は、当面行わないように、通達がなされている。また、やむを得ず渡航する場合は、2週間前までに、ワクチン接種を必ず行うこと。火星の感染症に関しても、情報に留意すること。』
『月芸術家協会通信 4月号臨時版1号』
『地球における、最新型宇宙インフルエンザの発生により、ヴァイオリニスト、アレクサンドル・ヤマシンエフ氏の月公演は、中止になる見込みです。また、オーケストラ・ファースト・アースの公演も、キャンセルされました。超宇宙ラッパー、ダイスケ氏の公演も、キャンセルされました。詳細は、また、お伝えします。』
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