第2話 お買い物

今日は!!

カーミとお買い物!!

待ちに待ったカーミちゃん!!

いや、同期なんだけどなかなか一緒に働くことがなかったからうれしい。


「お待たせメレイア。」


んー!!

いつ見てもカーミちゃんはかわいいなぁ・・・。


「ううん、そんなに待ってないよ。

 服の着替えとか大変でしょう?」


「でも奥様が私のためにボタンがないシャツでもいいよって言ってくれたの。

 だからそこまで大変じゃないよ。」


「そっか、じゃ、行こっか!!」


「うん!!」


カーミと腕を組んで街へ買い物へと出かける。

カーミのことを最初は街の人は好奇心半分で見ていたが、裏表のない性格が幸いして、今では街の人気者だ。


「お、いらっしゃい。

 今日は良い野菜がたくさん入ってるんだ。」


「こんにちは、おじさん。

 人参と玉ねぎと、じゃがいもと後何かいるっけ?」


うーんと何を買うか悩む姿も可愛い。


「今日はこれがおススメなんだわ!!」


店主が普通のかぼちゃよりも小さいものを持ってきた。


「これは?」


「普通のかぼちゃと比べて甘さが比じゃない。

 デザートにも使えるし、かぼちゃが苦手な人でも気付かないだろうなぁ。」


「じゃぁ、それを・・・いくついるかな?」


「大きさがちっちゃいからね・・・。とりあえず8個かな。

 余ったらデザートにすればいいし、他の野菜よりも長持ちするしね。」


カーミが作るデザートかぁ・・・。

思わずよだれが出てしまう。


「こんなものかな!!」


一通り必要なものがそろい、帰路につく。


屋敷への一本道の途中で後ろからきらびやかな馬車が通る。


「あれ?今日来客の予定なんてあったっけ?」


さぁと私も肩をすくめる。


すると何故か急停止して、ドアが開く。

降りてきたのは高身長の美青年。

金髪に明るい青い瞳。


「この先にサーナ家で間違いないだろうか?」


声を聞いて男性ではなく、女性であることが分かった。

こんなかっこいい女性いるんだなぁと質問はそっちのけで呆けてしまう。


「はい、この先がサーナ家です。」


カーミが何事もなく答える。


「ありがとう。ところで君は?」


カーミが荷物を置いて、片手でスカートの裾を持ちお辞儀する。

私も慌ててそれに続く。


「はい、サーナ家に雇っていただいているメイドで、カーミと申します。」


そのイケメン女性がカーミの顔に近づく。


「君は美しいな。」


こいつ。

さすがにカチンとくる。

カーミは私のだ。

イケメン女性に取られてたまるか!!


「お言葉ですが、また後程屋敷でも会えるかと。

 今は買い物帰りで荷物も多いのでまた後程お話ししましょう。」


「ん、そうだな。引き止めてしまって悪かった。

 カーミ、いい友人を持っているな。」


私に対してウィンクしてきやがった!!

あの野郎・・・じゃない・・・あの女め・・・私がカーミに惚れてるって一瞬で見破りやがった・・・。


「はい!!メレイアはとってもいい友人です!!」


輝かんばかりの笑顔で言われ恥ずかしくなるが、友人かぁと落胆もする。


「ではまた後で。」


そういうと馬車がお屋敷に向かって行ってしまった。


「いい人だったねー。」


「・・・そうだね。」


複雑な心境で屋敷に戻る。


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