第11話

「……おや?」

 

 僕が豪華なベッドでゴロゴロしていた頃、外が騒がしいことに気づく。


「なんだろう?」

 

 僕は外で何が起きているのか気になり、窓の方に向かう。

 窓の外。

 窓の外から見える空にはなんかでっかい肉の塊みたいなのがふよふよと浮いていた。

 あれが落っこちてくるだけでとんでもない被害になりそうだ。

 それに僅かだけどあの肉の塊から魔力のようなものを感じた。


「面白そうなことになる予感!」

 

 僕はいつもの影の王さまセットを取り出し、窓をすり抜けて件の場所に向かった。

 

 ■■■■■

 

 どっくん、どっくんという音を出して肉の塊が鼓動している。

 はえーすごいな。あれ。


「刹那様」

 

 僕の後ろにストーカーさんが跪いている。

 僕の後ろにいるのはストーカーさんだけじゃなかった。

 なんかいつぞやのときもいたたくさんのストーカーさんたちがいた。


「うむ」

 

 僕はかっこいい感じに頷く。

 おぉ!おぉ!おぉ!

 すっごいぞ!これ!いい感じだ!

 意味深な現場に数多の部下を引き連れ存在感を示す謎の男!

 カッコいい!そそられる!ふぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!

 僕のテンションは上がっていた。

 

「うにゅ?」

 

 僕がぼーっとそれっぽい顔をしながら立っていると、黒い軍服を来た人たちが集まってくる。


「フランス国軍……やはり来ましたか……」

 

 黒い軍服を来た彼らを見てストーカーさんはポツリと呟く。

 フランス国軍?お国の軍隊?


「彼らでは対処できない……」


 え?お国でも対処できないの?……あ、でもそうか。陰陽師や侍たちも強くはないしね。

 フランス国軍の人たちは十字架を握り、攻撃を開始する。

 だがしかし、それらの攻撃は何の意味もなさない。

 空に浮かぶ肉の塊は悠然と空を飛んでいた。


「これが……あぁ!これがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 肉の塊の上からなんか意味わからないことを叫び、うねうねと気持ち悪い動きをしながら降りてくる。


「あぁ!これが!これが!これが!愛の結晶!私の!私の信仰の結果!信仰の見返り!神の贈り物!神からの祝福!あぁ!神よ!私の愛する神よ!全世界の王よ!神よ!あぁ!あぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!」

 

 黒い神父の服を着た狂信者らしき人が叫び声を上げていた。

 なにあれかっこいい!僕もやってみたい!

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