第12話
「あれは………」
僕の隣に立つストーカーさんがあの狂信者ムーブを楽しんでいる男のことを見て驚愕の声を上げる。
「ラストバタリオンの第三席……」
……ラストバタリオン?ヒトラーが配線直前の演説で語った謎の最後の大隊のこと?
え?何あれ。あの人ナチスの亡霊なの?
「何者だ!」
フランス国軍の人が声を張り上げる。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!神の意思に逆らう愚か者!?自らの立場もわきまえぬ劣等種族が!!!」
狂信者の男は自らの髪をむしり取り、叫び声を上げる。
ドンッ
魔力が膨れ上がる。そよ風のような魔力は普通の風くらいの魔力になる。
「死ね」
さっきまでの叫び声はどこえやらゾッとするような低く、小さな声で告げる。
魔力に寄って引き起こされる事象は絶対である。
フランス国軍の心臓が止まる。
「ほんさ」
僕はフランス国軍たちの心臓を再び動かす。
そんなふわっとした意味しか持たないことを作り出そうとしても簡単に解除されちゃうでしょうに。
「……何者?」
ぐるん。
人間の首の関節起動域を明らかに越えていそうな動きで首を回し、彼らの後ろにいた僕のことを見てくる。
「我は影の王」
僕は静かに響かせるように呟く。
ちょっと、いきなり話しかけないでよね。まだ仮面つけていなかったんですけど!急いでつけることになっちゃったじゃん。
「グロプスか……」
……グロプス?ちょっと何を言っているのかわからない。
わからないが、話をあわせておこう。
「くくく、我らの名も随分と広まったものだな」
「黙れ!神に反逆するクソどもがァ!!!神の寵愛を受けろッ!!!」
狂信者の男はそう怒鳴ると。魔力を膨れ上がらせる。
「神の寵愛、とな?」
僕はそんな男の魔力を遥かに超える大量の魔力を開放する。
狂信者の魔力は僕の魔力によって掻き消される。
「な、な、な。馬鹿なァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!これは神より!神より与えられし寵愛!寵愛なのだ!何故!何故お前のようなガキが!?」
「くくく。これは我の力たるぞ?」
僕は空に浮かぶ巨大な肉の塊に手のひらを向け、魔力を流し込む。
それだけ。
それだけで崩壊していく。流し込まれる膨大な魔力に耐えきなかった肉の塊は体を崩壊させた。
「あ……あ……あ……。……ぁ。神よ。何故?何故!我らは!我らラストバタリオンは神に愛されし存在ではないのか!?」
狂信者の男は呆然と呟く。
パチン!
僕はなんとなくカッコいいかなと思って指を鳴らした。
そしたら何をトチ狂ったのかストーカーさんが狂信者の男の首を切り落とそた。
……えぇ。、まぁいいや。
「よく覚えておけ。よく見ておけ。敵はそこにいるぞ。敵を間違えるな。敵は影にいる」
それっぽいことを話した僕はその場を後にした。
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