第44話

「わっかんね!」


 僕は夜空に浮かぶ満月を眺めながら吠える。

 何が起きているのか僕にはまるでわからない。

 なんで月が沈まないの?

 どうして?意味がわからない。

 僕は建設途中のマンションの屋上に腰掛け、頭を悩ませる。

 しかし、解決策は出てこない。


『そうじゃのう。こんなん儂も初めてのことじゃけ』


 僕の隣でふよふよと浮かんでいる可愛い豚が僕に話しかけてくる。見た目可愛い豚から出てくる声が渋いおじさんの声なのが面白い。

 この豚はなんかよくわからないけど、以前神奈を助けてあげたときに倒したでっかい怪物がこんなになって残ったのだ。

 あの怪物の正体が豚だったなんて面白い。

 本豚曰く、自分は食神の眷属だったそうで、長き時を生きてきたらしい。

 僕は満月が沈まなくなった日、この可愛い豚と出会った日のことを思い出した。

 

 ■■■■■

 

 満月の下。

 僕はいつもどおり飛び回っていた。


「んにゅ?」

 

 僕はなんだろう。どこかでいつも感じているような……懐かしい力の波動を感じて足を止める。

 なんだろうか?

 僕が感じた力の波動は今まで会ってきた存在の中でも一つ二つほど格が違うほどの強さを持っていた。

 なんだろうか?

 疑問に思った僕はすぐさま行動を開始する。

 向きを変え、僕は走り出した。


「あたっ」

 

 僕が気持ちよく走っていると、何か結界のような物にぶつかる。


「いったいなぁ!もう!」

 

 僕はその結界のようなものを蹴破る。

 一応それが何か大切なものだったら困るので一応魔力を使って同じようなものを作っておく。

 これでよし!結界を貼った人間にも結界が破られたという認識すら得られないような完璧な出来だ!さすがは僕!

 僕はさらに歩みを進めた。


「およ?」

 

 僕は時期外れの見たこともないほどに巨大な桜の木を見つけて首を傾げる。

 まだ春じゃないよ?


「お、あれか」

 

 僕が感じた力の正体。

 それはいとも簡単に見つかった。

 どちゃくそ巨大な桜の木の前に立つよくわからない化け物。触手がうねうねしてる。

 ちょっと可愛いかも……。

 巨大な桜の木と、化け物がいるのはちょっとよくわからないけど凄そうでなんかカッコいい場所。

 桜の木と化け物を囲むようにたくさんの人が立っていた。

 なんか微弱だけど力を感じるし、ボランティアで頑張って化け物と戦っている人たちかな?

 ……あの人達じゃ敵わなそうな相手だけど大丈夫かな?

 そして、中央には、化け物の前にはなんか白い服を来ている神奈が立っていた。

 神奈!?

 なんでこんなところに?なんか生贄みたいな感じだけど……。

 

『おぉ、困るじゃよなぁ。生贄なんか出されても。それで無視してもこやつらは大げさに慌てだすしのぅ。まったく。どうにかならんもんかねぇ』

 

 渋いおじさんのような声が聞こえてきた。




 12月14日にトム・ブラウンみちおさんの異世界ファンタジー小説『異世界巨大生物VS元アスリート』の第1話が公開されましたね。皆さんはすでに読みましたか?

 想像以上に王道のファンタジーで驚きました。

 トム・ブラウンみちおさんの作品を見ていたら、短編作ってみたくなったので、作ってみました。ぜひ読んでくれると嬉しいです。

 『ヤンデレ天才ワキガ剛毛巨乳黒髪ショート美少女である妹の部屋から激臭巨大ディ◯ドが出てきたんだけどwww』

 やっぱ下ネタ書きやすいわぁ。体臭と剛毛はセットだよね!



 目指せ!トム・ブラウンみちおさん超え!www

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