第5章 3.悪用を防ぐ

ここ数年の間に、日常生活で使用される電波の周波数数の幅が格段に増えている。

スマホの進化とともに第5世代移動通信システムが話題となり、世界中で使用されるようになった。

無線LANもよく耳にする言葉で、生活に根付いている。

これらは、極超短波と呼ばれている電波で、一気に使用する人も量も増えている。


また、宇宙研究も進められているのだが、マイクロ波が使われる。

以前マイクロ波については書いているが、マイクロ波はスマホの電波である極超短波よりもさらに情報伝送容量が多くなる。

このマイクロ波もぐっと身近に感じられるようになるのだろう。

日常生活の中では、どういった電波が使用されているのか、あまり気にすることは無い。

そのため、知らず知らずのうちに健康上の被害を被ってしまうことがある。


実際に、「ハバナ症候群」に見られるようなマイクロ波の悪用が最も恐ろしい。

これはキューバのアメリカ大使館職員に対して行われたとされている事件で、最終的には電磁放射であるという結果に落ち着いている。

この「ハバナ症候群」はマイクロ波によるものとされているが、「マイクロ波兵器」と呼ばれる兵器が存在している。

この「マイクロ波兵器」は大量の電磁波を使用するので、人間にとっては脅威となる。

また、マイクロ波は一定の条件下で音波に変わり、音が聴こえるようになる。

矩形波のマイクロ波が音として聞こえる現象は、フレイ効果として知られている。

では、「ハバナ症候群」はどうなのだろうか。

被害を被った人は、大音量の音が聴こえたという人もいる。

これは、マイクロ波が音波に変化したことを表すものだ。

日本では、「音波兵器」と呼ばれている兵器が使用されたことが過去に起こっている。

「音波兵器」自体は、周波数帯による分類ではないが、マイクロ波が音波に変わり音波兵器として使用されることもあり得ることだ。


こういった兵器が悪用されるとどうなるのか、を考えるとゾッとする。


そもそも「兵器」と名が付くものは、国家機密レベルのものだと想像出来る。

ただ、一度使用されてしまうと公けに報道されるため、少数であっても覚えていることになる。


インターネット検索をすると、多くの「マイクロ波兵器」による被害を訴えている人の文章を見つける事が出来る。

ただの勘違いであるかもしれないが、中には本当に兵器を日常的に使用されている人もいるのだろう。

日本でも、他の国でも、一般人でこういった被害を訴えている人が非常に多いように思う。

これは、「マイクロ波兵器」がもはや国家機密レベルの兵器ではなく、悪用に使用される事件が多発していると考えて良いのではないのだろうか。


悪用を防ぐためには、「マイクロ波兵器」を扱う人間を厳選することが重要だと思う。

自らの立場を利用して、裏金に目が眩む輩も大勢いるのではないか。

また、何らかの弱みを握られてしまい、知識を渡してしまうのかもしれない。


「マイクロ波兵器」の悪用は、関わる人間の質とモラルとにかかっている。

そのため、電波に関して正確な知識を持つことはもちろんであるが、真摯な気持ちで仕事に取り組める人材の確保が急がれる。


日本では2021年末までに、近い将来に起こるとされる「電子戦」に備えて電子戦部隊が配置される。

何年か前に、時の大臣が発表した話題ではあるが、適切な知識を備えた人材が現れたのだろうか。

この段階で、あまりに急いでしまってはいないか。

適切な人材を確保できていないのではないかと不安を感じている。


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