第5章 2.もはや音波攻撃は国家機密ではない
音波攻撃というものがある。
これは、海外で良く使用されているもので、音響兵器として知られている。
デモやテロの際に、暴徒を鎮圧、抑制するために開発されたものだ。
音波を投射することにより、人の行動力を抑制し、判断力を鈍らせるという特徴がある。
一時的に攻撃した相手を無力化することが出来る。
また、殺傷能力が無いため一時的な攻撃の手段として使用されている。
一昔前には、催涙ガスが用いられていたようだ。
けれども、こちらは長期に渡って呼吸器官に悪影響を及ぼす可能性が高い。
そのため、暴徒鎮圧には音響兵器が使用されるようになったようだ。
実際の例としては香港やアメリカのデモが挙げられる。
海外のデモは日本とは異なり、かなりの人数が集まり一斉に暴徒化してしまう。
手が付けられなくなる前に、大人数を説得するのが一番良いのだが、広域に渡って使用出来る「LRAD(長距離音響発生装置)」が使用されている。
こういった出来事に関しては日本ではあまり報道されていないが、世界規模では一般的なこととされている。
日本でも音響兵器が存在することが今では知られている。
2009年に日本の調査捕鯨団が、過激な妨害活動を行っている某団体に対してLRADを用いていることがわかった。
これにより、某団体が過激に妨害しないようにと行動を阻止することに成功している。
悪い方向に使用すると音波兵器と言われるのであるが、災害時に効果を発揮することも可能だ。
指向性を持っているために、距離の離れた範囲に一度に音声を届けることが出来る。
受信機が無い場合でも、音声が届くので便利な一面も見受けられる。
日本でも音響兵器が存在して、使用された経緯があるので、もはやこういった兵器は国家レベルの機密では無いと思われる。
もちろん、個人が所有して使用することは出来ないため、極秘事項ではあるのだろう。
「音波兵器」という言葉を使用すると、超音波と可聴周波数の音波、それに低周音波を指すようだ。
空気振動を使用する兵器なので、長期的に使用されると聴覚障害を起こす危険性が高い。
さらに、「ハバナ症候群」の事件はあまりにも有名となったが、この事件ではマイクロ波が使用されていることが問題となった。
マイクロ波は一定の条件下では、音波として捉えることが可能になる。
このため、「ハバナ症候群」で使われた兵器も音響兵器と言う事が出来るだろう。
音波攻撃に遭うことは、まず無いと思う。
けれども、こういった兵器が日本にも存在して実際に使用されていることを忘れてはならない。
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