第2章 5.骨伝導ヘッドホン
数年前のことだが、「骨伝導ヘッドホン」を使用していた。
この頃、新製品として販売されたばかりだったので「骨伝導」という名前に惹かれて購入したのだった。
骨伝導と聞くと、ちょっとびっくりする。
これは音の伝達方法の1つなのだそう。
振動によって骨を伝わって聴覚神経にアプローチするというものだ。
一般的な音が聴こえるのは、鼓膜の振動によるものなのでかなりの違いがある。
骨伝導ヘッドホンを使用すると、音楽の世界に没頭出来る。
耳だけでなく身体全体でリズムを取る感覚になる。
そのため、好きな音楽を聴くには大満足出来るように思う。
骨伝導ヘッドホンは静かな場所で楽しむのが一番だ。
けれども周囲の音も同時に入るので、あらゆるシーンで使われる。
音の聴こえ方にはこの2種類があるとされている。
骨伝導で音を聴く方法は、難聴の方にも有効だ。
補聴器としても骨伝導は優れているので採り入れられている。
鼓膜の振動に頼るものではないところが嬉しい。
振動が骨を伝わって音が聴けるようになるので、人気も高い。
この「骨伝導ヘッドホン」を長時間使用している時の事だ。
突然、一気に音が騒がしく感じてしまった。
「いきなりボリュームが上がったのかな」
音量を調べてみると、設定したままの状態だった。
すると急激に音の伝わり方が変わったのだろうか。
音質は非常に良いように感じていた。
低音から高音まで、幅広い音域をクリアな音で聴く事が出来ると思った。
なかなか良いと思っていたところの出来事だったので残念だ。
しばらく骨伝導ヘッドホンを使わずに数時間過ごしていたら、自然にもとに戻った。
この出来事があってから、このヘッドホンはお蔵入りとなってしまった。
危険性は無いとされているが、まだ開発されてから何年も使用されているわけではないので注意が必要だと思った。
折角購入したのに勿体無いが、私には合わなかったようだ。
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