第5話 バイト先にて その2

 今日もバイトの日だ。今日は、キッチンの日だ。ホールの日ではない。


 それなのに、なぜか、ホールにまわされた。

何か変なみえない誰かの意思を感じた。

なぜ?

ホワイ?


どうやら、あの目立つ容姿の女の子のせいか。


 最近、毎日のように、喫茶店にきて、勉強してるらしい。貸したノートを渡してくるので、新しいノートを貸してあげる。ノートに書く字、前より丁寧に書くように、気をつけてる。見られるの、わかってるなら、なるべく良くしたい。ちょっとした見栄だ。佐藤さんのこと、淡い初恋で、遠くから、見てるだけで、嬉しい。そういう憧れの対象だったんで、お話しできてる、LINEでも、メッセージのやり取りある。そんないまの状況が信じられない。でも、とても心地よい。


 ぼくはバイトは、毎日はやってないから。

 叔母から、話を聞くだけ。しかし、いつのまにか、叔母と仲良くなってる。女のひとの、同性同士の距離の詰め方、ちょっとおかしいと思う。


 コミュ能力が低い自分にはとてもできない。コミュ能力高かったら、学校で友だちの1人や2人いるはず。ボッチ検定で1級だから、気にならないけど。ボッチ検定知らない?ん?

モグリだな。ボッチでも、空気みたいに、いじめのターゲットにもならず、うまくやり過ごす、そんな方法があるんだ。ネットで検索したらいい。はい、そんなのありませんけどね。




今日のバイトが終わって帰る時。


「今度、ご飯を一緒に食べに行きませんか?」


そんな、内容のLINEのメッセージきた。


男女2人きりで、ご飯食べに行くのは、絶対、無理、無理。そういうの、彼氏、彼女の関係の男女がやることだ。

 

恥ずかし過ぎる。なに話せばいいか、わからないし。

 毎朝会う通学時間の10分とかでも、恥ずかしいの、頑張って、克服しつつあるのに。


 誰かほかのひとが、いればいいとは、思うんだけど。残念ながら、学校にそんな友達は1人もいない。1人で空気になるように、徹して過ごしてきたんで、いまさらどうにもならない。





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突然始まるラブストーリー うぶな2人の恋模様 なんと @humanfly0614

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