第3話
最後の力を振り絞っての逃避飛行が始まった。
しかし、程なく追尾の日本国防空軍の機銃掃射がキムチイーグル2機の機体にヒットし始めた。無線を通じて僚機のパイロット、クォン某中尉の絶望的な叫び声が響いてくる。4番機は寸前に副パイロットが姿をくらましたために、クォン某中尉の単独搭乗機になっている。
そして…
出し抜けに、左斜め後方で爆発が起こり赤々とした残骸が日本海に堕ちていった。
彼の叫び声も、もう聞こえない
-クォン…
感傷に浸っている暇はない。
コチラの機体にも機銃弾が絶え間なくヒットしている。
-イーグル被弾数の世界記録達成だな…
次の瞬間、キャノピーに被弾した。キャノピーの半分が粉砕されヘルメットとゴーグル、マスクに圧倒的な風圧が押し寄せる。
とりあえず、飛行に支障はない。よし、あと少しだ!
その後も気の遠くなるような時間、機体を振り回しながら日本国領空からの離脱を目指した。
そして、唐突に機銃掃射がやんだ…
-振り切ったか!
どうにか、日本国領空を脱して追撃を振り切ることができた。
専守防衛を旨とする日本国防軍は追い払ったハエに執着する事はない…
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