第13話

「ではカズヤ君。きみの特異なキャラはなんだい?」

「ぼくは”ベガ”の使い手なんです。ひたすら”ちから”を追い求める”彼”にあこがれを感じていました。」

「なるほど”ベガ”か、すばらしい!ベガはりゅうたちになぜ挑戦しているんだい?」

「彼は世界征服を目論んでいるからです!」

「ほお、ベガは世界征服を目論んでいるのか。なぜ?」

「それは、、、」

「”かれ”自分のちからを証明したかった。だがそれだけでは彼の世界征服の動機としては薄い。”彼の幼少期”に目を向けてみよう。”ストリートファイター”では語られない。」

「かれの”幼少期”ですか?」

「そのとうり。彼は”どんなちから”を使うんだい?」

「”サイコパワー”という特殊能力です!」

「サイコパワーは特殊能力とは呼ばない。”超能力”だ。彼はストリートファイターの世界で”武術”ではなく”超能力”を使う。なにか”違和感”を感じないかい?」

「ほんとだ。でもそれでも良いのでは。」

「ストリートファイターの世界はファイター、つまり”格闘家”の世界だ。彼は格闘技を身につけないといけないのに”超能力”を使う。つまり、肉体を鍛え、”技の極み”を手に入れないといけないのに超能力を手にしている。しかもなにか”特殊な研究”をして。彼の肉体は小さくない。ならば超能力を使う必要もない。だが”科学研究”という”武術”とはまったく関係ない”ちから”でりゅうと対峙している。つまり、彼は”武術に懐疑的”で信じていないのだよ。」

「ベガは弱いんですか?」

「じつはベガは最も弱いキャラのひとりである。基本”サイコクラッシャー”でつっこむしか”能がない”からだ、回し蹴りと併用しても”コンボは成立しない”」

「そんなこと、、、」

「彼の過去からするなら、軍に入り、”自分のちから”を信じてられなかったんだ。そして”この歪んだ実力主義に疑問を感じた”のだ。”すべての者はちからも生まれも、人生すら平等ではない”ならそれを打ち壊すちからが欲しい、そう君と同じように。」

カズヤは泣きながら聞いていた。彼が”あこがれた”キャラは自分以上の挫折と絶望を味わっていたのである。

「でも、ぼくは”ベガ”を使いたいです!!!」

「りゅうは格闘技の達人である。彼は”こぶしをかわせばすべてがわかる”その彼のそのみじめさも知っている。後に豪鬼となるかれは”そんなかれのすべてをかけて戦いたい”そう思っていたと思うよ。武術は”相手がいないと成立しない”どんなものも磨きの粋を与えれば輝く。そうりゅうは信じている。彼は”武術家”だからだ。人生のすべてを武術ささげているからだ。」

「ぼくは”どうしたら”よいですか?」

「ベガたる”呪眼”を受け継ぐならば、”彼のつらさも受け止めないといけない”それが”きみがいまからやることだ”。それが出来たとき、きみは”真の呪眼”としてせかいに”訴える”ことができる。ベガを信じてあげなさい。”やはり”彼も強かったのだ。そこにほれたのだろう?」

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