第13話
高校のときに嫌われていた。クラスでも馴染めなかったし、嫌いな人ばっかりだった。
食堂でアイスを買ったとき、一緒にいた友達をからかわれた。彼女は私のせいなのに落ち込んでしまった。私といることで人の価値が落ちてしまうことが悲しかった。
私がいないほうが良かったのかもしれない、と思った。
中学のとき後輩が前髪をアメピン沢山使って留めたのを周りから咎められた。当時はこのスタイルが流行だった。
それを他の部活の子に生意気だ、なんであんなことを許しているのかと言われた。
自分が直接言われたわけじゃないのに、自分自身派手にしたり、女らしくするのを怖がるようになった。
なんでここまで責められるんだろう。
一緒にいる、同じ組織にいる、それだけでなんであんなに敵視されたのだろう。
私達は違う者なのに。
目立たないように、人と関わらないようにするようになった。
人間が嫌いだ。
あんなに他人のことを気にして生きたくない。自分に直接利害もない相手をとやかく言いたくない。文句をつけてくる人は皆違う世界に行ってくれればいいのに。
出ていきたい。この場所から。
皆好きな人のことだけ考えてたら居られる場所がいい。
好きなことだけ追いかけていたい。
好きな格好をしたい。
好きなことだけ話したい。
そしたら私も、私の好きな人やものを傷つけられずに済むのにと思う。
この世界では守れない。
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