第6話
祖母はまめに墓参りや盆正月の儀式を行う人だ。
墓参りは米や野菜を刻んだものを蓮の葉にのせ、墓に持っていくのだが、
自分の家だけではなく、無縁仏にも供えていた。
26歳に戦死した人だと言われた。
もしかしたら、その人は兄弟であるとか昔は祀ってくれる人がいたのかもしれない。
祖母は家の墓だけでなく、うちの先祖が養子で来たのだが、その元の家の墓参りもしていると聞いたことがある。その家は子孫も都会へ出てほとんど帰って来ることが無いという。
もし自分が死んだら、子孫がいてもいなくても、墓参りのために誰かを縛り付けることになるのではないかと怖くなる。
自分の墓参りをしてくれる人を絶やさないことが、結婚して子供を作ることなのかもしれないが、
私はそんなことのために自分の子供を犠牲にしたくはない。
私が死んだら、風葬してくれないだろうか。
子供は親のための存在ではないことを子供には伝えたい。私がもし子供を持つとしたらそのためだ。
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