第3話
その日の夜……
「さて、続きだ!」
俺は前回セーブしたところから始めるため、ロードをする。
ロードが完了すると、一気に周りの景色が生成される。
「そうだ、前回は森の館でセーブしたんだっけ」
俺は前回セーブしたのが森の館だということを思い出し、インベントリを開く。
所持しているのは、金、経験値、装備、剣、そして魔法の杖。
魔法の杖は冒険のためには必須で、魔法を唱えるのに使う。
そして、背後からの叫び声。
振り返るとそこには森の館の主がいた。
「そうそう、コイツ!」
俺は更に、この主の討伐イベントを受注していたことを思い出した。
そうと決まれば、討伐だ。
俺は次々と魔法を唱え、遂に主を討伐することに成功した。
討伐に成功すると、自動的に最初の街へと戻され、報酬を渡された。
俺はその場でセーブした。
すると、ゲームは途端に終了した。
妹の呼ぶ声と同時に。
目を開けると、そこは見慣れた自分の部屋だった。
体を起こして見た先には妹が頬をプクゥと膨らませながら怒っていた。
「お兄ちゃん!何度も起こしたのに!遅刻するよ!」
俺は、ハッ、とし、時計を確認する。
時計は8時過ぎを指していた。
……ズレているのかな?
「……ヤベェェェ!!!」
「なんてね♪」
飛び起きた途端、妹が舌を出しながら、テヘッ、とやっている。
どういうことだ?
俺は考えた末、今日が休日だということに気づく。
「胡桃ィィィィィ!!!」
……そしてまたご近所さんに怒られるのであった。
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