第18話
文化祭。
普段なら一般開放されている文化祭だが、今年だけは別。
僕がいる今年だけは別だった。
もし僕がメイド喫茶で接客し、料理を作ってくれるともなれば世界中から人が集まってきてしまう。
地球の反対側からも人が続々と訪れ、学校がとんでもない人口密度になってしまうだろう。
それを避けるために今年の文化祭はかなり来客の数を制限しての開催となった。
来客の制限の仕方はかなりのものだった。かなりの数を制限していた。
「なのに何でこんなに人数がいるの!?」
僕は叫ぶ。
教室に入ってくるたくさんの人を前に。
というかうちの学校の生徒全員ここに押し寄せてきているだろッ!?自分たちの店はどうした店はァ!
「並べッ並べッ!大人しく並べ!」
僕は叫ぶ。
あまりの客の数にうちのクラスは阿鼻叫喚の地獄となっていた。す◯家のワンオペよりキツイくらいだ。
だが、クラスのみんなはこんなもの想定済み。
対策はたててある。
……あれを対策と言って良いのかどうかには疑問が残るが。
作戦は簡単。
みんなで頑張って料理を作り、接客は僕の鶴の一言で完璧に統率して行う。これだ。
至ってシンプル。
「食べ終わったご主人さまは早く出ていってね🎶逆らったら二度と口を聞いてあげないから🎶」
僕は食べ終わってもなお僕を見ている客にVtuberとしての活動の中で身についたぶりっ子マシマシの言葉でそう話す。
「「「はい!!!」」」
客は僕の一言を聞いて素直に退出していった。
彼女たちには僕の言葉にはちゃんと従う。まぁ接客しやすいほうだろう。
「次のご主人さまどうぞ!!!」
僕は声を張り上げる。
教室の中に数名の女子が入ってくる。
「おかえりなさいませご主人さま!そちらの席にお座りください」
僕は席の方へと誘導していく。
『9番料理出来たわ』
僕の見身につけられたイヤホンから鈴鹿の声が聞こえてくる。
「9番のご主人さま!お料理が出来上がりました!受け取り口に向かい受け取ってください!」
料理はセルフで受け取ってもらう。僕が運んだりは出来ない。
そんな仕事出来ない。忙しい。
「入っていいのかしらん?」
「おぉ!待っていたよ!」
この教室に並ばずとも入っていい客、僕の客が教室に入ってくる。
最初にやってきたのは確定オカマさんだった。
「うん!大丈夫だよ!」
「「「Fooooooooooooooooooooooooo!!!」」」
確定オカマさんはオカマではあるが、体は男。僕ほどではないが、みんなは確定オカマさんの登場に歓喜の声を上げた。
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