第16話
「よし!」
僕はもう慣れてしまったひらひらの豪華なメイド服を着る。
着方なら鈴鹿に優しく教えてもらい、理解することが出来た。
……優しく、教えてもらったのだ。
なんか僕の背中から血が抜かれていたけど、優しく教えてもらったのだァァァ!異論は認めないんじゃい!!!
「シャラン」
そして、謎のハイテンションで僕はくるりと一回転。
服がブワッと広がって良い感じになる。これを見るのが結構楽しい。
「よし!」
僕は再び頷き、もはや僕専用の更衣室となった部屋を出る。
向かうは僕の教室。今日は接客指導があるのだ。
……いや、学園祭で接客指導なんてあるのか?可笑しくない?ガチり過ぎじゃない?
まぁ良いけどさ……こういう感じも久しぶりで楽しいからね。
■■■■■
接客指導。
そんなものは僕には必要ない。
当然だ。
僕ならそこにいるだけで最高峰の接客になるのだから。
「「「いらっしゃいませ!!!」」」
「「「おかえりなさい!ご主人さま!!!」」」
「「「ご注文はこちらで良かったでしょうか?」」」
そのため、接客指導なんてものは僕に行われない。
接客指導を受けるのは下々の女共である。
僕は雑多に乗せられた椅子の上に座って見下ろしながらそんな馬鹿なことを考える。
今、僕が座っているのは椅子の上。僕が座っている椅子の下にあるのは椅子。そして、その椅子の下にあるのもまた椅子だ。
椅子が重なり合って出来た玉座?まぁ天井にまで届きそうなくらい高く積まれ、全員を見下ろせるような特別な椅子の上に座った僕は絶妙な優越感に浸っていた。
僕もみんなと一緒にやってみたかったけど、こういうのも良い。
というか、かなり(≧∇≦)b
王様感を味わえる。
「「「ご主人さま!!!」」」
その王様気分は下で声を枯らさんばかりに声を張り上げているメイド服を来た同級生たちが冗長させていた。
僕ってば思ったよりもS寄りなのかもしれない。
「お前ら!舐めているのか!そんなで男の子と一緒に働けると思うなよッ!!!」
そして、下で鞭を振るってみんなへと指導を行う鈴鹿。
……なにあれ。怖い。
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