第14話
そこからのみんなの動きは非常に早かった。
まず、全員でお金を集め始めた。一人十万。先生が五百万。……先生?
集まったお金は総勢800万円くらい。
このお金を使い僕のメイド服を用意するんだそうだ。オーダーメイドで。
そして次はメイド服のデザイン。
デザインを考えるため、様々なメイド服を先生が慈悲で購入し、僕に買い与えてきた。
というわけで僕のファッションショーが開始された。
「ハァハァハァハァ。良い!良いよ!実に良い!」
「パーーーーーーーフェクト!!!」
「脳が、脳が震えるぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううううううううううううううう!!!」
「……神は私に味方した……」
「おぉ!神よ!神はここにいた!」
「仏説摩訶般若波羅蜜多心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法」
「ピク……ピクピク」
僕のファッションショーの影響は凄まじかった。
みんなの反応がヤバかった。
単純にやべぇ、キモい反応を見せるやつに、涙を流して崇め始める人までみんなが多種多様な反応を見せた。彼女らのは反応の共通点は凄まじくキモいことだけだ。
理沙はぶつぶつとなんか意味わからないことを呟き続けているし、鈴鹿は何故か自分の手を自分で大きく切り裂き、血を流しながら倒れている。……あれくらいでは死なないが……本当に何をやっているんだ」
後、脳が震えると叫んでいるやつ。
元ネタがあるんだからやめろ。なんか乗っ取られそうで怖いよ?実に。倒したらこっちの身体を乗っ取ってくる能力を持ってたりしない?
「これで最後ね」
僕は用意されていたメイド服へと着替え、みんなの前へと姿を現す。お披露目もそこそに僕はそくさとその場を離れた。
脱ぎにくいメイド服を脱ぎ、制服に着替える。きれいに折りたたんだメイド服を渡された紙袋にしまい、それを手に持つ。
そして、僕は教室へと戻った。
「あ、あぁぁぁぁぁ」
「うぅぅぅぅぅぅぅ」
教室には僕のファッションショーが終わったことに絶望し、倒れ伏している人が多数存在していた。
……元々の始めた理由を覚えているのだろうか?
「先生、はい」
僕はメイド服を入った紙袋を先生に渡す。
「「「え?」」」
先生を含め、僕以外のクラス全員の声がピタリと揃う。
「え?じゃないよ。この服を買ったのは先生でしょ?返すのは当然でしょ?」
僕の至極当然の言葉に呆然とする先生。
そして、
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
紙袋を持って叫んだ。
……僕にメイド服なんか渡されても困るんだよ。どんな用途に使ってもいいから持って帰ってくれ。
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