第25話

「あぁー。ふわぁー。ほえー」

 

 僕はベッドでゴロゴロ転がる。


「終わったッー!!!」

 

 僕は歓声を上げる。

 ようやく。

 ようやくホロさんじに所属しているライバー24名全員とのコラボが終了した。

 

「ふわぁー」

 

 僕は変な声を漏らす。ぷぴーと息が漏れる。

 

「おつかれ」

 

 和葉が僕の頭を優しく撫でてくれる。

 すりすり

 僕は和葉の体に自分の体をなすりつけ、甘える。全力で甘える。

 あぁ、いい匂い。気持ちいい。柔らかい。

 このまま押し倒してしまいたい。

 ……そんな勇気ないけど。ヘタレでごめんなさい。

 

「んっ!?」

 

 そして、そんな様子をそばから立って見ていた天音さんが頬を赤く染めて変な声を上げる。

 ……良いの?護衛が頬を赤くして変な声を上げてもじもじしだすのはどうなのだろうか?大丈夫なのだろうか?

 これは護衛として大丈夫なのだろうか?平気なのだろうか?

 結構アウトよりのアウトな気がするのだけど?国は教育を間違えたのではないだろうか?


「はぁはぁはぁはぁ」

 

 息を荒らげている天音さん。

 んー。心配になってくる。

 かなり心配になってくる。大丈夫か?この人。

 

「えっと……」

 

 僕は机の上に置いてある手帳を手に取り、開く。


「ライバーさんとのコラボはすでに済んだから……もっとリアルの露出を増やしていかないとなぁー。うーん……」

 

 手帳の予定を眺める。


「はぁー」

 

 そして深い溜め息をつく。

 憂鬱になってきやがるぜ。

 リアルでの露出は結構面倒なのだ。びっくりするくらい面倒なのだ。

 諸々の手続きとか、お相手の反応とか。護衛とか。本当に面倒。

 でもやんなきゃだよなぁー。


「大丈夫?辞めたければ辞めて良いんだよ?」


 和葉がため息を吐いた僕に優しい言葉をかけてくれる。

 

「いや、やるよ。僕が撒いた種で。僕しか解決出来ないことだからね」

 

 男性の自殺率。そして、女性の男性への犯罪率は減少していっている。

 女性たちの中で僕という圧倒的な光に自分のすべてを捧げるような人が増えたおかげか、他の男性への犯罪行為、犯罪スレスレの行為をする人が少なくなり、男性たちも同じ男であるにも関わらず自由に楽しく生きている僕を見て生きることの希望を持ってくれた人もいる。

 僕がやらなきゃいけないのだ。


「そう。偉いね」

 

 和葉はよしよしと僕の頭を撫でてくれる。

 ……実に嬉しいことなのだが、和葉と一緒にいるとダメダメになってしまいそうで少しだけ怖い。

 しっかりしないと!


「次は……装飾品の広告か」

 

 予定帳。そこに書かれている次の予定。そこにはアクセサリーの広告についての依頼が書かれていた。

 ……アクセサリー。

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