第24話
「あぁー。疲れたぁー」
僕は深い息を吐き、ヘッドホンを外す。
初めてのコラボ配信。無事?に終わらせることが出来た。
キララさんが発狂すること無く、色々ヤバいことを言ったりなんかもしたが、まぁ大惨事にはならなかったと言えるだろう。キララさんはVtuberとして長年活動しているだけのことはあり、喋りがとても上手だった。おかげで僕もかなりやりやすかった。まぁ大変だったけど。すっごく疲れたけど。
ちなみにだが、決してスマホに手を伸ばしたりなんかしない。荒れ果てたニュースやTwitterを見たくないのだ。
数日間はネットに触れないぜ。
「これで一人目、だね」
僕は壁に貼ってあるたくさんのライバーさんたちの顔写真に丸印をつける。
僕がコラボしなくちゃいけない相手はホロさんじに所属しているライバー24名全員。一人目が終わったから、残りは23人。
……多いなぁ。
「次の相手は誰にしようか」
ライバーさんたちの顔写真を眺める。
「男キャラとして売っているライバーさんは出来るだけ後……。となると……」
顔写真に書かれている情報を見ながら厳密に考える。
一番下ネタが多くて、一番大変そうな人は早々に、一番最初に片付けたし、あの配信の後ならもうどんな配信であっても大丈夫だとは思、う……オフコラボは死か。
「一回ネタに走ったし真面目な人にしようかな」
次のコラボ相手を決め、事務所に連絡を送っておく。後は事務所のほうがなんとかしてくれる。全くありがたい限りだ。
次のコラボ相手はゲームガチ勢。僕に負けず劣らずのゲーマーだ。
んー。こうして見ると僕も結構Vtuberとして活動しているもんだ。
まぁCMに出たり、リアルの方でもかなり活動しているんだけどさ。
「賢人様」
「ん?」
僕は僕の名前を呼んだ天音さんの方に振り向く。
「明日の予定についてなのですが……」
「あぁ。そうだね。確認しておかないといけないね」
明日はリアルのお仕事がある。リアルのお仕事はVtuberとしての仕事よりも遥かに慎重かつ、完璧に行わなければならない。僕が襲われたりなんかしたら大変だ。
「えぇと明日は……」
だからこそ前もってちゃんと準備をしなくてはいけない。前日にやることは最終チェックだ。
最早僕専属護衛としての立場を確立しつつある天音さんとともに、明日の予定について確認し合った。
全く。ヒキニート時代では考えられないほどの忙しさだ。
ちゃんと。
護衛もつけず、ゲームのリアイベを楽しめるような世界になるといいのだが……。
まだそれは先だろうな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます