第23話

「す、すごいわね……」

 

 キララさんが僕の言葉を前に少し引いたように告げる。


「そう?これでもまだまだ語り足りないくらいなんだけど……。あれでしょ?別にキララさんたちだって男について語るときはさっきの僕以上に語るでしょ?」


「えぇ。そうだね。一週間は余裕ね」


「それと同じだよ。キララさんたちが一週間余裕で男について語れるのと同様、僕も二次元の女の子に対して一週間余裕で語る事が出来る。そういうことだよ」


「……衝撃」

 

 僕の言葉にキララさんが信じられないかのような声色で呆然と呟く。


「うん。マジでこの世界に男性用のエロ漫画がない。可愛い女の子の漫画でシコらせてもらうから」

 

 エロ漫画がない分、エロ動画はエチエチだけど。一応エロ動画は男っぽい人が出るけど所詮は僕からしたら全部女同士。レズは良き……。

 まぁ変に男によせようとしてキモくなっているからなんとも言えないんだけど。

 ほんとこの世界は一人で何をあぁする男に優しくない。エロ漫画も、エロアニメも、エロゲーもほとんどない!マジで悲しい……。

 

「!?ゲホッゲホッ」

 

 キララさんがむせたように咳き込む。


「ふぇ!?あ……え!?」


「どうしたの?そんなに動揺して。何かあった?」


「え?……あ、いや、今シコるって……」


「ん?それがどうかしたの?あ、もしかして用語の意味が理解できなかった?仕方ないなぁ」


「いや、知っているけど……え?」


「アハハハハハハ」

 

 僕は笑う。慌てふためき混乱しているキララさんを見て。


「言ってるじゃん。僕は下ネタオッケー。平気だって」


「……そ、そんな男の子がいるなんて……」

 

「別にいいでしょ?いても。それともなぁに?エッチな男の子は嫌い?」

 

「そ、そ、そ、そんなことはないわ!」

 

 キララさんは最早絶叫とさえ聞こえるほどの大きな声で告げる。


「あ、ちなみに言っておくけど」


「え?あ、はいはい。何かな?」


「僕以外の男にこんな対応したら一発で嫌われるからね?僕が特別なだけだから。他の男に対しては対等な一人の人間として対応してあげてね?」


「あ、当たり前です!」


「じゃあその当たり前のことは守ってね?これを聞いているリスナーのみんなも」


 コメント欄爆速かつ外国語ということもあって、どういう反応を示しているのか皆目検討もつかないけど。


「それで?次の質問は何かな?」


「えっとじゃあ次の質問は───────」


「はいはーい。えっとねぇー」

 

 僕とキララさんは時間一杯雑談を続けた……。

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