第12話
「ほーん」
僕は部屋に備え付けられているテレビを眺める。
僕の後ろで確定オカマさんが僕の髪のセットをしてくれている。
テレビに映っているのはホロさんじのVtuberたちである。
今日やっているイベントはホロさんじのリアイベ。リアルに来ているファンたちの前でパフォーマンスをしている。
うーん。前世ぶりにこういうのを見るなぁ。やっぱ興奮する。
今日のイベント。
それはホロさんじが一年に一回やっている大規模なイベントだ。
そこで僕は、このホロさんじの大規模なイベントのラスト─────ホロさんじの加入の決定と、それに伴う初の顔出しのイベントがあるのだ、やるのだ。僕が。
なんでVtuberがVtuberのイベントで顔出ししているの?意味がわからない……。
顔出ししないからVtuberなんじゃないのか?前世なんてないんじゃないのか?
……。
…………。
おそらくであろうが、世界で一番盛り上がるイベントになるだろう。盛り上がりすぎて犯罪者が出ないかどうかだけが心配である。
本当に。そこだけが。
警察官のパーティーになってしまうことだけは避けたい。
本当に避けたい。
避けてほしい。
「はい!出来たわよ!」
「あ、ありがとう」
確定オカマさんが髪のセットの終了を教えてくれる。
「ほら、いい男」
僕は手鏡を渡される。
……え?手鏡?普通に後ろ振り返って後ろの大きな鏡を使えば良くない?
振り返っちゃダメなの?僕はこの小さな手鏡で十分だと?
……。
僕は手鏡を使ってセットされた自分の頭を確認する。
「おぉ、すごい」
僕は感嘆の声を上げる。
今までセットとか何もしてこなかったからこうして見てみると結構上がるな。
メイクだってバッチリだ。
まぁナチュラルメイクだけど。
「これが衣装です」
社長さんが僕の衣装を渡してくれる。
「それでは私の仕事もあるので、もう行きますね。時間通りにお願いします」
「はい。了解です」
社長さんがこの部屋から出ていく。
「……一応盗聴器とか隠しカメラがあるかないかどうかを確認しておこうか」
僕が着替えるよりも前。
それらの機械を先に探すことにする。
「その方が良いわね」
僕は確定オカマさんと一緒にそれらを探すも、見つからない。
「よし。良かった。んじゃあ着替えるか」
僕はサクッと服を脱ぐ。
「え!?あたいの前で脱ぐの!?」
確定オカマさんが驚きの声を上げる。
「あ……まぁ良いやろ」
「……貞操観念をもっとしっかりと持ってほしいわね」
「ふっ……そんなもの僕は必要ないのだよ」
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